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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜A
-8

そしてそれから数日後の事。

町に一匹の魔物が出現した騒ぎを聞き、ロイドとレーヴェスが向かう。
そこにいた魔物はケルベロスの群れだった。
【ケルベロスは三つの頭を持つ犬の魔物で炎の呪文を使う。】
ケルベロスはそれほど強い魔物ではなく、ロイドとレーヴェスは数分で片付けた。
しかし死の間際、ケルベロス達は次々に遠吠えをした。
すると魔物の群れが更に現れた。
それはフェンリルと言う魔物で数は5匹だった。
【フェンリルは巨大な狼の魔物で、最強クラスの魔物であり氷の呪文を得意としている。】

「馬鹿な!フェンリルが、五体だと!!」
レーヴェスは驚愕する。
フェンリルは速く、賢く、そして強かった。
レーヴェスとロイドがフェンリルをなんとか全滅させたが、ロイドはフェンリルの呪文で胸を貫かれていた。
レーヴェスは町中を駆け回り、回復呪文を使える者を探したが見つからなかった。
とりあえずできる限りの処置は施したがロイドは日に日に弱っていく。
そして数日後ヴェイルが戻った。
その肩には布の袋を背負っていた。
「オラー、どうだ?約束通りオリハルコン10?掘ってきたぜ。これで大金持ちだぜ!!」
自分を出迎えたレーヴェスに冗談を言う。
しかしレーヴェスはうつむいたままだった。
「どうしたレーヴェス?覇気がねえぞ覇気が!!」
ヴェイルはレーヴェスから事情を聞く。
町が魔物に襲われたこと。そしてロイドが重傷を負ったことを。
ヴェイルは急いでロイドが安静にしている部屋に向かう。
「ヴェイル・・・さすが・・だな。お前はやると言ったらやる男だ。」
ヴェイルが持って来たオリハルコンを見てロイドが弱々しく言う。
そして起き上がるとオリハルコンを担ぎ、武器を打つために予め借りておいた地下室に向かおうとした。
「ロイドさん!まさかそんな体で!?」
レーヴェスはロイドを止めようとした。

「頼む、俺の体のことは俺が一番解ってる。
もう長くねえ。だから最後に造るこいつを
"生きた証"
にしてえんだ。」
ロイドはレーヴェスの手を振払い地下へと向かっていった。
それから数週間、ロイドは地下の部屋から出てくることはなかった。
しかし二人が心配して地下へと向かうと部屋の中から武器を打つ音だけが聞こえてくる。
その音だけがロイドが生きているという唯一の保証だった。
そして遂に音が聞こえなくなり、二人は部屋に入る。
するとぐったりとしたロイドの脇に
美しい双剣と槍が完成していた。
「完成・・・だ。こいつは天槍エルグライドと地刀アークディオクロス」
ロイドは今にも消え入りそうな声で言った。

「ロイドさん!なんで?
あんたはあれほど一つの剣以外は造らないって言ってたのに!!」
レーヴェスはぐったりとしたロイドを抱き抱えながら叫ぶ。
「な・・・んで・・・だろうな?
最後・・・に・・何か・・・を残そう。そう考えた・・とき・・お前達の・・・顔・・以外・・・思い・・浮かばなかった。
ヴェイル・・・レーヴェス」

そしてそれから数日後、ロイドは死んだ。

「俺は・・・俺は!!俺は誰も・・・・!!」》

ヴェイルはレーヴェスの突きを上半身の動きで紙一重で避わす。
そして瞬時に右腕の剣をレーヴェスの腹部に放つ。
しかしレーヴェスの槍(エルグライド)はヴェイルの剣を体に触れることを許さない。
ヴェイルはもう一方の剣を振るう。
だがレーヴェスの反応は凄まじく、それも槍(エルグライド)の柄の部分で受け止めた。
「うおおおー!!」
だがヴェイルはそのまま剣を振り切った。
「ぐ!!」
"ダン"
レーヴェスは吹き飛ばされ背後の壁に叩きつけられ、再び片膝を付く


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