投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

Cross Destinyの最初へ Cross Destiny 64 Cross Destiny 66 Cross Destinyの最後へ

Cross Destiny
〜神竜の牙〜A
-34

"ガーーン"
物凄い勢いの突進で船が横転しそうになる。
「うわあああ!!」
するとジェラルド兵が三人程海に投げ出されてしまった。
「グアオオ!!」
そしてその三人はサーペントに丸呑みされた。
「お前ら!ちくしょう!!」
ヴェイルは怒りに任せて再び裂光閃を放った。
それにより背ビレが切り落とされたがやはり致命傷は与えられない。
「ヴェイル!!お前じゃ相性が悪い。倒せなくは無いだろうけどこのまま長引けば被害が広がる。
俺達に任せろ!!」
フォルツが叫ぶ。
「しかしな!」
「ここは海の真ん中だ!俺達は逃げようがない。早くしろ!」
「わかったよ!頼んだぜ!!」
ヴェイルは説得に応じ独房の扉を開けた。
そして後ろで組ませている手錠を切り落とし、もう一つの部屋に置いてある剣(ファルシオン)と杖をアルスとフォルツに渡した。

「油断するな!」
「よっしゃあ!行くぜ」
「はい」
甲板に立って構える。アルス、フォルツ、ルナ。
そしてヴェイル。
「ファイヤーシェル!!」
アルスは炎の下位呪文を唱える。
「サンダーランス!!」
そしてフォルツは雷の下位呪文を唱えた。
「シャインアロー!!」
同時にルナは光の下位呪文を唱える。
「裂光閃・燕鷲!!」
更に裂光閃を放つヴェイル。
炎の火球、雷、光の矢、斬撃の波動が同時にサーペントに直撃した。
「グアオーーン!!」
サーペントに致命傷を与えたようだ。
サーペントは血を流しながらその場をぐるぐると回り始める。
今の攻撃で平行感覚を司る器官が潰されたようだ。
「とどめだ!フリーズスティング!!」
フォルツは氷の上位呪文を唱えた。
海から巨大な氷柱が出現し、サーペントを串刺しにする。
「グア・・・・オーーン」
そしてサーペントを完全に倒した。
船の周囲の海がサーペントの血で赤く染まる。
「ふう、助かったぜサンキューな」
ヴェイルが礼を言う。
「・・・・なあヴェイル。」アルスは使わなかった剣(ファルシオン)を鞘に納める。
「ん?」
「あんたは俺達を裏切った訳じゃないんだろ?俺達に会いたい人ってやつに逢わせるためってのは本当なのか?」

アルスはヴェイルともう一度触れ合うことで何となくヴェイルの言ってることが嘘ではなかったことが理解できた。
「ああ、それは本当だ。だからお前らを捕まえるつもりは無かったんだ。」
「じゃあなんで?」
「本当のこと言ってみろ。俺がジェラルド所属でしかもお前らにジェラルドに来いなんていっても不審に思うだろ?しかもお前らはジェラルドで騒ぎ起こしてるらしいしな。」
「まあ確かに。」
「だから仕方なく手荒な真似しちまった。悪かったな。そうしてまでお前らを、いや正確にはフォルツを連れて行かないといけない理由があった。」
フォルツはそれを聞いてハッとした。
恐らく自分の黒い光呪文に関係しているだろうことは理解した。
同時にルーンの塞でのアレスターの言葉を思い出す。


Cross Destinyの最初へ Cross Destiny 64 Cross Destiny 66 Cross Destinyの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前