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ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)
【コメディ 恋愛小説】

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ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)-46

「全く、貴女ってなんてわかり易いんでしょう。本当に単純なんだから」
「な、何一人で結論出してるのよ! あたしは何も言ってないわよ!」
クスクス笑う美弥に対して顔を赤くした香織が必死に否定をしていた。
「まあ、一言だけ言ってあげる。自分の恋愛は自分で責任を持ちなさいよ。ちなみに相手が最初から全てを見せてくれるなんて思わないことね。隠しごとがあって当たり前なんですから。それと最後に、貴女みたいな単純な人はウジウジ悩むより何も考えずにぶつかる方がお似合いよ」
美弥は言いたいことを言うとそのまま音楽準備室を出ていった。
「……全然一言じゃないじゃない」
一人残された香織は憮然としてそう呟いた。
しかし、その瞳には先程は失われていた輝きが戻りつつあった。
そして椅子から立ち上がった香織は急ぎ足で加奈子達がいる場所へ向かった。
 
その頃、ケイの姿をした圭介は必死になって自分の携帯を探していた。
「うーん……マジでどこいったんだろ…」
「いつまで携帯を探してんのよ! って、そういや休憩の合間も携帯探してたわよね」
呆れた顔をした奈津子が椅子に座ってケイを眺めるのだった。
「はっきり言ってなくした携帯探すより機種変した方が早いんじゃない? 秘密のデータはシークレットで隠してあるんでしょ」
「秘密のデータって…まあ、ケイとしてのものは全部セキュリティかけてあるけどね……」
とは言うものの、ケイの表情は冴えなかった。
実際、データに関してはセキュリティをしているのであまり心配はないのだが、それよりもケイにとって肝心なのは携帯を落としたタイミングなのである。
ケイが落とした携帯を圭介の知り合いが拾ったらと考えると背筋がゾッとするのだった。
「まあ、明日もケイとして学園祭に行くんだからその時にでも探しなさい」
気楽に言う奈津子に対し、ケイは今日一番重いため息をついた。
 
そしてとうとう学園祭の最終日がやってきた。
この日のケイは香織と会う約束以外は入れていなかった。
そして香織もケイと会う以外の予定は一切入れていなかった。
待ち合わせ場所で顔を合わせた二人の笑顔はどことなくぎこちなかった。
「お、おはよ、ケイ…」
「うん…おはよう香織ちゃん」
どことなく表情の硬い香織の笑顔にケイもつられてしまう。
「香織ちゃん、昨日はごめんね…」
「…ううん、気にしないでいいよ。だってケイは今をときめく人気モデルなんだしさ。それに、昨日に続いて今日もケイと遊べるなんてラッキーだしね」
今までのぎこちなさをふっ切るような笑顔を見せる香織は、いきなりケイの手を掴むとそのまま引っ張って走りだし校庭にある出し物を見に行くのだった。
それからというもの香織はすごかった。
とにかくケイは香織と一緒にいろんな屋台や展示物等を見て回ったのだ。
 
「2‐A及び2‐Cのライブ参加メンバーは至急ステージまで集合して下さい。繰り返します……」
ケイと香織が次の目的地に向かう途中、校内放送にてライブメンバーを召集する安奈の声を聞いて二人は互いに頷くと昨日ライブをしたステージに向かって歩きだした。


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