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ぷるぷるしたもの
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ぷるぷるしたもの-3

次の日、目が覚めるとプルプルだけだった。ありがたい。朝からあの始末は憂鬱だ。俺は手早く準備して家を出た。
昨日黒を埋めたところを見て俺はびっくりした。埋めたところを中心にバラ園になっている。一夜で一本のバラがバラ園になったことを考えると明日には家をバラのつたが覆うことになる。殺人事件でも起こりかねない勢いだ。
名探偵に会いたいという願望もないので俺はムシキラーとライターで簡易火炎放射器を作りバラを燃やした。念のため黒を埋めたところに塩素系洗剤とホウ砂をかけておいた。
思わぬところでホウ砂が役に立った。やはり友人Ωにしてやろうかと考えていると、埋めた辺りから『ピギィーー』という声が聞こえた。30秒ほど見ていたが何も起こらないので気のせいということにして、俺は学校に向かった。


くそ、あの馬鹿教師め!わからないから『わかりません』と言ったら『なんでわからない』と聞き返してきやがった。いつからうちの学校は数学の時間に哲学を教えるようになったんだ。むかついたから『シナプスの結合に異常がありまして』と答えたら補習プリントを出しやがった。いつか復讐してやる。

部屋に入るとプルプルは窓のところで平らに広がっていた。窓の側を定位置と決めたらしい。
俺が近づくと元に戻って傍に寄ってきた。指でつっつくとピィピィと鳴く。それを見てると不思議と先ほどまであったイライラがなくなった。自分でも気づかないうちに俺はこいつに癒されていたらしい。
『ピィ、ピィ。』
「・・・」
こいつの寿命がどれくらいかわからないが死ぬまで面倒を見てやろう。
そう決めたとある秋の昼下がりだった。


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