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ぷるぷるしたもの
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ぷるぷるしたもの-2

冷蔵庫から目に付いたものを取り出して部屋に戻る。
スライムの前に並べてみる。内容は海苔、キャベツ、カルビ肉、バター、オレンジジュース
スライムは一通り眺めてキャベツを食べだした。ありがたい。もしカルビ肉を食べたなら打ち上げ花火に括りつけて点火していたところだ。
自分が九死に一生を得たとも知らず、青虫のごとくキャベツを食うスライム。案外こいつは幼虫でしばらくしたら成体になるのかもしれない。こいつの成体・・・やめよう、考えるだけ不毛だ。
「おい、そういやお前名前何ていうんだ?」
『ピィ、ピィ。』
「わかんねーよ。俺がわかんのは日本語と中学英語だけだ。」
『ピィ、ピィ。』
「…お前ぷるぷるしてるからプルプルな。」
『ピィ、ピィ。』
「そうか、気に入ったか。」
わからない時は自分の都合のいいように解釈するという最低の理論で俺はこいつをプルプルと命名した。


夜、こいつは活発に動き出した。どうやら夜行性らしい。どれくらい活発かというと部屋中を跳ねまくり、一分おきに俺に激突してくる。
最初は俺も放っておいたがいい加減ウザくなったので目の前に来た時にデコピンをかました。すると目を閉じて動かなくなった。死んだか?と思ったが微妙に震えているところを見ると怒られたと思って怖がってるようだ。
指でつっつくと不安そうにこっちを見てくる。頭を撫でてやると安心したのか動き出した。
可愛いやつだ、と思って眺めているとまた部屋中を飛び跳ね始めたのでもう一度デコピンをした。


次の日、目が覚めるとスライムが二匹に増えていた。プルプルともう一体は一回り小さく、色は黒っぽい。
だがいかんせん、眼つきが悪い。俺のことを生ごみか下等生物のような目で見てくる。ピィとしか言ってないがおそらく『こっち見てんじゃねーよ、ゴミが。』といった感じだろう。
こんな不思議生物は二匹もいらないし、なによりムカついたので俺はバットでそいつを叩き潰した。気分はこん棒を装備したレベル1の勇者だ。怒ってプルプルが飛び掛ってくると思ったが、特に反応しなかった。この黒とどういった関係かわからんが愛情はなかったようだ。

庭にそいつの残骸を埋める。果たして微生物がこいつを分解できるかどうかわからないがそこは気力でカバーしてもらいたい。というよりこんな謎の物体を食べれることを光栄だと思って欲しい。残骸の欠片を手にとってみる。毒とかもっているのだろうか?友人Aにホウ砂の復讐としてグミと称して食わせてみようか。いや、やめておこう。『スライム殺人事件』の犯人なんかで捕まったら末代までの恥だ。俺は処理し終えて学校に向かった。


学校から帰ると埋めたところから一本のバラの花が咲いていた。なんてキザな。死してなおムカつくやつだ。引き抜こうと思ったがバラに罪はないし、見栄えも悪いというわけではないのでそのままにしておいた。

部屋に入るとプルプルが飛びついてきた。俺を待っていたのだろうか?だとしたらめちゃくちゃ可愛いやつだ。
俺はプルプルを上に放り投げてキャッチした。プルプルはかなり楽しそうだ。俺も若干面白かった。調子に乗って何回もやっていると天井にぶつけてしまった。
プルプルはえらく怒って部屋の隅に行きこっちを見ようとしない。仕方ないので冷蔵庫からキャベツとセロリを持ってきて近づくと飛びついてきた。割と食いしん坊のようだ。


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