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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜@
-4

リザードは5匹ごとに集団を作り、5つの集団。計25匹。
「やっぱりリザードだ。気を付けろよアルス、こいつらは素早い動きと高い跳躍力がやっかいだ。」
フォルツは腰に納めてある杖を取り出した。
「魔物といってもリザードは所詮は雑魚だ、俺より自分の心配でもしてろ」
アルスも背中の鞘から剣を抜く。
しばらく一定の間合いを保っていたリザードはアルスに向かって一気に飛び掛かっていく。
3匹は跳躍し2匹はそのまま突進してきた。
「そんなに死にたいなら望み通りにしてやるよ」
アルスは体と剣に魔力をまとわせると
【全ての人間は魔力を持っており、魔力を呪文として放つ魔導士と、アルスの様に肉体や武器に魔力をまとわせ闘う力に変える騎士系とがいる。訓練次第で身につくその力も非尋常な訓練量と膨大な月日が必要となる】
跳躍しているリザードより高く飛び上がり、横薙ぎの斬撃で空中にいる3匹を同時に斬ると、そのまま落下と同時に残りの二匹を一瞬で突き殺す。
「サンダーランス!」
フォルツは一つの集団に雷の下位呪文を放つ。
杖の先端の星石が輝き、5匹のリザードに向かって雷が飛ぶ。
雷に貫かれたリザードは次々に倒れていった。

一瞬の内に10匹の味方を倒されたリザード達はたじろぐ。
しかしアルスとフォルツはその隙を見逃さなかった。
アルスの剣が次々にリザードを切り裂いていく。
それと同時にフォルツの呪文もリザードを貫く。
そしてリザードは最後の1匹になっていた。
最後の一匹となったリザードは少しずつ後ずさりをし、途端に背中を見せ逃げだそうとした。
「ふん、敵に背を見せるとは所詮魔物だな」
それを見逃さず、アルスは即座に追い付き剣を振り上げとどめを刺そうとする。
「待てアルス」
しかしリザードを斬ろうとするアルスをフォルツが止める
「何で止める?」
アルスは寸前で剣を止めそのスキにリザードは逃げていった。
「今リザードが逃げてった森の中にやつらの巣があるかもしれないからだ。」
「巣?」
「ああ、リザードはたくさんの群れを集合させて巣を作る。恐らく巣にはまだ沢山いるはずだ。
元を断たなきゃ意味ないだろ?」
「なるほどな、奴を追ってけば巣を見つけられるというわけか」
アルスは剣を納めすぐにリザードを追い掛けた。「見失うなよ」
フォルツも後を追った。
リザードは森の中を全速力で駆け抜ける。
そして一定の距離を空けてアルスが追い掛ける。その少し後をフォルツが走る。
「はあはあ、ちょっと速すぎないか!?」
息を切らしながらフォルツが叫ぶ
「馬鹿いうな、これ以上遅く走ったら見失う!」
振返りながらアルスも叫ぶ
「くそー魔導士に肉体労働はきついぜ」
フォルツはぼやく
「アルス!俺は後から行くから先にいっててくれ」
「まったく、じゃあ木に印を付けておく」
アルスはそう言い残し追跡を続ける。
途中、約束通り剣で木に印を付けながら走るアルス。そしてリザードは追跡に気付いている様子でチラチラとこっちを見ながら走る。
そして追跡を始めてからおよそ一時間。
ついにリザードは足を止めた。アルスも立止り剣を抜く。
するとリザードは
「ギュアアア」と高い鳴き声を上げる。
更にアルスの周囲からおなじように「ギュアアア」という声が聞こえた
「ここが巣で間違いなさそうだな」
アルスは剣を強く握り、構えた。
そして予想通りリザードの群れが現れた。


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