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あたしにとってのふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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あかね11才の決意-2

それは突然だった。


あかねとお姉ちゃん、ふたり一緒にお風呂に入っていた時のこと‥‥‥

『あかね、あの‥ね‥‥』
『ん? なーに?』
いつになく深刻な顔。
普通の話じゃないな、とは思ったけど、まさかお姉ちゃんがあんなことを言うなんて想像もできなかった。

『あたし‥‥あいつのコト好きになっちゃった』

あかねは、お姉ちゃんが何を言っているのか、すぐには理解できなかった。

『あいつ‥‥て、お兄ちゃん?』
『‥‥うん』

お姉ちゃんは顔が真っ赤だ。てことは、嘘じゃない。本気だ。

『好きになった、て言うか‥‥ずっと好きだった‥‥。今、その気持ちに気付いた‥‥。』

『‥‥そぅ‥なんだ』

『‥‥‥うん』



━━次の日から、お姉ちゃん‥‥エリカは、お兄ちゃんを、それまでの“あんた" とか“ねぇ" じゃなく、「ユキ」と名前で呼び始める。
前ほどのケンカもなくなり、お兄ちゃんとお姉ちゃんはどんどん仲が良くなっていってる気がした。

‥‥うらやましかった。

対等な関係。お互い、わかり合えて、言いたいことが言える。
あかねとお兄ちゃんの関係とは違う。

「お兄ちゃん」ていう呼び方がだめなのかな? あかねもお姉ちゃんと一緒に「ユキ」って呼んでたらよかったかな?


あかねと‥‥お姉ちゃんは違う。

お姉ちゃんみたいに表情豊かになりたい。思ったことをそのまま口に出したい。

でも‥‥なれないや。
あかねは‥‥あかねのままでいるしかないのかな。

だったら、お姉ちゃんに負けないように‥‥なんでもできるお兄ちゃんに嫌われないように‥‥好かれるように‥‥
勉強も、運動も、料理もなんでもできるようになろう。
そうしたら‥‥お兄ちゃんと対等になれるかな


なりたい‥‥

なりたい‥‥

なれる‥‥

なれる‥‥

なる‥‥

なるんだ‥‥

‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥


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