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恋する日々
【学園物 恋愛小説】

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恋する日々〜アガパンサス〜-4

それから数日がたち桜が舞う季節、4月になった。ここは私立鳳凰学園。鳳凰学園は基本的には厳しい校則は無いので生徒には人気があった。そんな学園に入学してきた者がここにもいた。
「やっぱこの学園すっげーなぁ、広いし綺麗だし」
「創立されてまだ5年だと聞くからな」
新しい制服を着て誠、信太、礼が学園内を歩いていた。
「礼は相変わらず何かと詳しいな。そういや香織はどうしたんだ?」
友人の博識ぶりに感心しつつその場にいないもう一人の友人の事を尋ねる。
「美袋は用事があるそうだ、直に来るだろう」
「そっか」
「おっ?あれ美袋じゃねぇ?おーい!」
両手を大きく振り自分達の居場所を伝える。あちらも気づいたらしくこっちに駆けてくる。
「おはよ、やっと見つけたよ。皆制服似合ってるよ」
「おぅそっちも似合ってるぜ」
ニカっと笑い親指を立てながら応える。
「美袋、用事というのはそれか?」
礼は香織の後ろで隠れている人物を指差す。その人物はもともと背が低いのだろうが、長身の香織と並んでいるので端から見れば少し歳の離れた姉妹に見えた。
(ん?あの子どっかで会ったような…?)
誠はそう思い少し考えたがあまり記憶力に自信がないのですぐにやめた。
「あぁ…この子は私の友達の獅堂あやな。仲良くしてあげてね」
「は、はじめまして」
人見知りなのか少し距離をとっている。
「任せとけ!俺は工藤信太。んでこの年中不機嫌面は柳礼、あっちの銀髪の不良が神那誠」
「誰が不良だ、誰が!」
「俺はそんなに不機嫌そうか…?」
互いが軽く(?)自己紹介を終え始業式の会場に向かっていった。


「なんなんだこの学園は…」
誠達は教室で雑談を交わしていた。偶然にも全員同じクラスだった。礼は始業式が終わり心の底からの感想を述べていた。
「あっはっはっは!礼はああいうのは苦手だもんな!」
「苦手ではないが…常識はずれもいいとこだ」
遡る事1時間前。始業式は何事もなく進んでいた。終わりが近づき現生徒会長の挨拶を終えようとしていた。生徒会長は女性で気品があり優しそうな人だった。問題はここから先の事だった。
「…それではウチの話は終わります。最後に学園長のお話です」
はんなりとした京弁で学園長にその場を続けさせた。現れた学園長は着物を着ていて、見た目だけを見れば極悪そのものだった。
「長話は好かんので手短に話をする。この学園に来たからには男女関係なく、でかく、強く、なれ!以上!鳳凰学園学園長!柴山源一郎!」
窓ガラスが割れんばかりの大声で言うとのしのしと音をたてながら去っていった。
「………」
残された新入生は何も言えず全員がただポカンとするだけだった。


…そして今に至る。
「いいじゃねぇか、俺はああいうの好きだね」
「…理解できん」
「えっと…それはともかく皆一緒のクラスになれてよかったですね」
なんとなく気まずい感じがしたのかあやなは話をそらす。
「そうだね、まぁ私はもう誠とは小学校の時から一緒なんだけどね」
「香織は長いなぁ、俺と礼は中学からだな」
「へぇ〜キミ達前から一緒なんだ」
雑談を交わしていると、ふと誰かが横から話に入ってくる。
「アタシ、藤野理菜。まだ友達いなくて寂しかったんだ、よろしくしてね」
「あぁよろしく」
「つっても、獅堂は今日からなんだけどな」
「そうなんだ、新参者同士仲良くしよっ!」
「う、うん、よろしく」
新たにできた友人を快く迎えた時、教室の扉が開き担任の教師が入ってきた。
「おぅさっさと席に着きやがれガキ供」
担任は教師にしてはガラと言葉遣いが悪く、そして煙草を吸っていた。
「俺が貴様等の担任の久留米だ。明日の事はプリントを読め。以上」
短すぎるHRを終わらせ久留米は出ていった。
「本当に…なんなんだこの学園は…」
「あんまり気にしない方がいいよ、礼」
前の席にいた香織がまたもやうなだれついた礼に言葉をかける。
「まぁ退屈はしなさそうだな」
「よし、帰んべさ!」
礼とは反対にこの学園が気にいった誠と信太は下校の準備をする。
「ねぇねぇ、この後暇かな?皆でカラオケ行こう!」
「いいねぇカラオケ!」
「そうだな、今日はバイト休みだし、行くか!」
目配せをし反対が無いのを確認し誠達は学園を出た。


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