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ヴァンパイアプリンス
【ファンタジー 官能小説】

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ヴァンパイアプリンス-3

「このタオル使って。着替えは今持ってくるから。」
「う…うん。」
水無月の家に着く頃には、二人共びしょびしょになっていた。
「ゴメンね。ウチ、男の兄弟しかいないから大きいサイズしかナイんだケド…」
「ううん。…逆に迷惑かけちゃって…」
「イイょ。ぁ、シャワー先に使って。」
「…ありがと」
(…緊張する〜ッ)
今、水無月家には月下と水無月しかいないようだ。家の中には二人だけ。
(何もナイ…よね…水無月クンだし!!) 
月下は風呂から出ると水無月が用意した服に着替えた。
「…うわッ。大きいッ」
スウェットは月下の太股の半分まで隠した。
「…下は…ナイんだ…。」
いくら大きいとはいえ、しゃがんだらパンツが見えてしまう。
(は…ずかしぃょぉ)
月下はスウェットを伸ばしながら脱衣所をあとにした。
「あ、峰島サン。服、乾かしてるから。」
「うん…ありがと。」
月下がリビングに行くと水無月がココアを出してくれた。
「ハイ。これ飲んで適当にくつろいでて。」
「ありがと…」
水無月はリビングを出ていった。
(なんでホッとしてるんだろう…水無月クンなのに…)
月下はココアをすすった。そして、リビングを見回す。
「あッ…水無月クンだッ!!小さい〜!!コレは…弟クンかな?」
リビングの飾り棚の上に水無月家の家族写真が飾られていた。
「…うゎッ。お母さん、美人だッ…」
(水無月クンはお母さん似なんだな〜…)
月下が写真に夢中になっていると、ドアが開いた。
「…誰?」
ドアから入ってきたのは、水無月によく似た少年だった。
「あッ…水無月クンの弟クンかな?わたし、水無月クンの友達の峰島月下です。」
「ふ〜ん」
少年は月下に近づいてきた。
「…イイ足してるねッ。血色もイイ…」
「何言って…」
そして少年は、月下の首筋を見る。
「…兄貴の女か…」
少年は何かを発見し、そうつぶやいた。そして、少年は月下の首筋へ唇を寄せようとした。その時…
「雅人!!」
水無月がリビングに姿をあらわした。
「…来ちゃった。もう少しだったのにッ。じゃぁね、月下サンッ」
「ぇ?ぁッ…」
雅人はさっさとリビングから出ていってしまった。
「…雅人には近づかない方がイイ…」
水無月が月下の服の乱れを直しながら、そう言った。
「んん…わかった……けど…」
月下が顔を赤らめながら続けた。
「…手ェ…離して…」
水無月の手は、いつの間にか月下の太股をなぞっていた。
「ぅゎッ!!ゴメン!!」
水無月は急いで手をどかした。
(無意識にやってたのぉ?!)
月下は恥ずかしいような、ちょっと残念なような…微妙な気分になった。
「ん…?」
月下は水無月の様子がさっきと違う事に気付いた。
「水無月…クン?」
月下が水無月に触れようとすると…
「ダメだ!!峰島サン!!触っちゃ…ッ!!」
水無月は肩で息をしていた。
「でも…。」
「俺…に…近づかないで…ッ」
「水無月クンッ?!」
「くッ…うぅぅッあッ!!」
水無月は苦しそうに呻き、膝から倒れこんだ。
「水無月クン!!」
月下が、倒れる水無月を抱き締めた。
「…月下ッ…ダメだって言った…のにッ…」
水無月は月下の唇を奪っていた。
「…んッ!!」
(もしかして…)
「水無月クン…昨日の…あの人…んッ!!」
水無月は再び月下の唇をふさぐ。
(絶対そうだ…)
「…血が…欲しいの?」
月下は唇が離れた隙にそう言った。
「…月下……これ以上傍にいると…おさえられ…な…い…」
水無月が月下を遠ざけた。
「イイょ…」
月下がスウェットを脱ぎ始めた。
「月下ッ!!…ダメだ…」
水無月はまだ欲求を押さえていた。
「あたし、血の気多いから!!大丈夫!!」
水無月の外見が昨日の青年のように変化していった。犬歯が鋭く尖っている。
「…ゴメン…」
水無月は月下の首筋に鋭い歯を下ろした。
「んッ!!」
月下に水無月の歯が食い込む。
「ふッ…」
月下の口から声が漏れたかと思うと、月下の体が崩れ落ちた。
「きゅ〜〜」
「あッ!!月下?!月下ぁ!」


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