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BLUE
【ファンタジー 恋愛小説】

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BLUE 〜出会いと始まり?〜-2

「だ、大丈夫ですか!?」 焦った叫び声で、トラックの運転手らしき人が呼び掛けて来る。
その声で我に返り、私を助けてくれたらしい男の人を見る。
その人は思ったよりも若くて、私と同い年ぐらいだった。慌てて介抱しようとすると、その人はいきなり起き上がりこう言った。
「いってぇ〜!」
それですむ怪我のはずはないのに、その人はそう叫んだ。そしてまたいきなり立ち上がると、
「おいコラ運転手!誰もいないって言ってもちょっとは安全運転しろよ!」
そう怒鳴った。
あまりに元気なので、私はポケーっとそれを見ていた。
「おい運転手!返事ぐらいしろ!」
とまた怒鳴られ、トラックを運転していた人は、
「す、すいません!気をつけます!!」
と、今更な事を言っていた。「大丈夫ですか?」
それが自分に向けられた言葉だと気付くのに、数瞬かかった。
さらに、それがさっきまで怒鳴っていた男の子(同い年ぐらいたけど)から発せられたものだと、すぐに気付けなかった。
何故ならその声があまりにも礼儀正しく、やさしそうだったから。
誰でもこの声で話しかけられたら、すぐに警戒心を解いてしまうだろう。
「だ、大丈夫、です……でも、私よりあなたのほうが大変なんじゃ…」
「あー、大丈夫、大丈夫。俺、能力者だし」
それを聞いて少し驚く。

能力者とは、半年ほど前から現れた、その名のとおり、普通ではない「能力」を持った人間のこと。
「能力」は後天的なもので、個人によって様々な物がある。
能力者の数は結構 多く15歳以上の10人に一人は何らかの能力を持っているらしい。
実は私も能力者だ。
能力は大きく二つに分類される。
一つ目は、単純に身体能力や回復力が強い、肉体強化型。二つ目は、今まで超能力と言われてきたような力を持つ、特殊型。
最後の三つ目はどちらの能力も持つ、複合型。
ちなみに私は複合型。
ってこんな説明してる場合じゃなーい!
「能力者にしても今の衝撃はヤバいんじゃ…」
そう言うと、彼はニコッと笑いながら、
「俺って頑丈なだけが取り柄だからね〜」
と、おどけたように言う。
恐い感じの人かと思ったら、思ったよりもハイテンションな人らしい。
「あ、そうだ、あんたは帰ってもいーよ。」
と、呆然とこちらを眺めていたトラックの運転手に言った。
え?みたいな顔をしながら、逃げるようにトラックに乗り込み、私達を出会わせた人は去って行った。

私は何故か今頃早鐘を打っている心臓を気にしながら、口を開く。
「あの、名前…教えて下さい。」
「いーよー。俺は宮田快斗(みやたかいと)、中2だよー!あなたは?」
本当に同い年だったんだ…。「私は神崎玲奈(かんざきれな)。私も中2だよ。よろしくね!」
と言って手を差し出す。
「よろしく〜!」
と言って私の手を握り返したその手はとても暖かかった。

続く


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