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友情の方程式
【学園物 恋愛小説】

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友情の方程式4-1

数日後。
夏休みも目前となった時期。毎日が暑くて仕方がない。
あれから毎日、加藤と話をしているが、相変わらずの調子。部活も熱心に行っているらしい。
まぁもうすぐ大きな大会があるからな。

授業が終わり、真っ先に出て行こうとする加藤。
『もう帰るの?』
『違うよ!部活!大会近いから!』
焦り気味に話す。そんな加藤を他所に、のんびり話す俺。
『あ、そうなの?ふぅ〜ん頑張って〜』
『うん!じゃ!』

それだけ言って行ってしまった。相変わらず、せっかちだ。
さぁて、俺も帰ろう。帰宅部の俺には関係ない。

とぼとぼ正門まで歩いていくと、派手なねぇちゃんが一人車の側で立っていた。
歳は20歳前後で、髪は茶髪。化粧…特に目元には力が入っていた。
あぁ…うちの学生じゃないや。あんな派手なやつみたことないし。第一俺の好みじゃない。
…と、その女性に近付く男子が一人。そいつは…北川だった。
北川って、年上好きなんだなぁ〜
そう感心しながら、その二人の横を通り駅へと向かった。

加藤と別れて数日後かぁ…
他に好きな女出来て別れたんだ。
加藤もかわいそうに…
なんて、呑気なことを考えていた。





『どうかした?』
晶が訪ねる。
ここは、晶の部屋。あの二人を目撃した後、晶に会いに来たのだ。
『いや…なんで?』
『女の…勘かな?』
へへっと、笑う。
…女の勘ほど怖いものはない。
『ごめん、晶の前で…』
『ううん。そんなことないよ。実はちょっと嬉しかったりするんだぁ』
楽しそうに、晶は言う。
『え?なんで?』
『だって、かーくんっていっつも、私の前では完璧っていうか…全てなんか分か
ってるって感じ』
そう。俺は、いつも晶の前では”完璧”でいる。
そうしないと…自分が自分でいれなくなりそうで…
『そうか?』
『そうだよ〜だから…何かあったら話してね?役に立てるか分かんないけど…か
ーくんが一人で、悩んでいるのは見たくないの…』
そう言って、俺の右手を包むように両手で握ってくれた。
『うん。ありがと。』
俺は左手を晶の手にそっと重ねた。
そして、俺の唇を晶に重ねた−・・





晶は1番大切な存在。元気をくれる。なのに…”何か”が満たされない。それどころか、失いたくないものが、もう一つ増えてしまった。あいつといる時は”何か”が満たされていくような気分になる。
そう。だから、さっき晶の前で考え事−加藤と北川のことを考えてしまったのだ。



こんな出来事があった夏は過ぎ、秋を迎えた。
大した進展はなく、冬を迎え、春がやってきた。


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