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友情の方程式
【学園物 恋愛小説】

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友情の方程式−あの日−-3

『話しってなんですか?』
バイトが終わり、晶が話しかけてくる。
敬語であることが、俺への気持ちを表しているみたいだ。
『今更だけど…やっと分かった。やっぱり晶、お前が必要だ。』
晶の目を見て言う。
真っ直ぐに俺を見る。
外はもう真っ暗。
店は駅の真ん前にあるため、会社帰りのおじさん達が横切る。
何人かは野次馬の様に、立ちっぱなしの俺らを見て、どこかへ行った。
『私、なんで別れたか知ってる?』
長い沈黙を晶が破る。
『…だいたいは』
『なんでだと思う?』
『俺が…本音を言わなかったから』
『そうだよ…私、寂しかった。なんで私には本音話してくれなかったんだろって。』
『ごめん。俺、晶の前ではカッコつけてた。いつも強くいておかなきゃいけないって思ってた。』
『なんでそう思うのよ…彼女だからこそ弱みも見せてよ…』
泣きそうな顔でいう。
『これからは晶には何でも話すよ。だから…やり直してくれないか?』
『…次、隠し事したら、知らないからね』
そう言って俺に抱き着いて来た。
俺も負けずに抱きしめる。
『今度は離さないよ、晶』
耳元で囁く。
『私も…もう離れたくない。』
俺の胸に顔を埋めながら、言ってくれた。


あの時、満たされたのは寂しさだったのかもしれない。
寂しいから人の温もりを求める。
でも寂しさで繋がった関係はすぐに終わる。
それは加藤も俺も直感で分かったんだ。
だから、涙が出てきたんだ。
ああなったのは神様がくれたチャンスだったのかもしれない。


俺らは手に繋いで帰ることにした。

その姿は…まるで何事も上手くいっているカップルの様だった。


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