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潮騒の郷@美少女・海戸田雅子
【OL/お姉さん 官能小説】

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潮騒の郷@美少女・海戸田雅子-3

第三章
そして、翌日の午後10時。雅子は、阪口弘とドライブデートに出掛けた。カットソーの半袖シャツを着て、チェック柄の膝丈スカートの下に厚手のタイツを穿いた。はじめてのドライブデートで秘部に触れてくることはないだろう。だけど万が一のことを考えた。
阪口の愛車セリカは寮を出て、裏道を走り、広いT字路にでた。左折して浜島方面へ向かう。
「雅ちゃん、俺は高校のとき、暴れん坊で、先生たちを困らせる男やった。高二の夏に、南勢町のヤクザ3人をスープレックスで投げたんや。3人とも骨折しおって…そのことが学校にばれて退学や」
「阪口さんて恐い人なんですね」
「いやあ、ほんまはやさしいんやで。今はすっかりまじめになって、料理の道ひとすじや」
「阪口さんの作ったあら炊き、おいしかった」
「さかなは毎日使うで、あら炊きならいつでも作ったるで」
「うれしい」
阪口は、セリカを高台の駐車場に滑り込ませた。潮騒の音が聴こえた。ここは南張海岸だろうか?真っ暗で何も見えないが、潮の香りが車内に流れこんできた。
「俺、将来は雅ちゃんとフランス料理店やりたいな」
阪口は将来の展望を次々に語った。
(これからおつきあいするって言ってないのに、決め付けてる…)
意気揚々と語っていた阪口が、ふいに沈黙した。雅子は怖れを感じた。
「弘さん、どうしたの」左手が伸びてきて、肩を抱かれた。
ぶるっと震えが走った。「雅ちゃん、好きだ」
肩を引き寄せられた。顔が近づいてくる。全身に恐怖が駆け抜けた。
「やめて、やめて」
雅子は顔をねじった。
うなじに唇を押しあてられる。
涙がこぼれた。涙声で訴えた。
「岩木さんが好きなの。ごめんなさい」
カットソーの胸元から、忍び込もうとする手を押さえながら、雅子は号泣した。
「岩木は恵美利とつきあっとるんやぞ。恵美利とエッチしとるんや!」
雅子は泣きじゃくりながら、首を激しく振った。
阪口は、それ以上求めてこなかった。憮然とした顔で、セリカを寮に向かって走らせたのだ。
(いろんな男性と友達になって、自分の人間性を豊かにしたかっただけなの。エッチは理想の彼としたい…)
セリカの車内、となりに阪口がいても、からだは岩木哲郎の愛撫を待っていた。
第四章
阪口とデートしてから、五日後の夜。
ダイニングの仕事を終えて、自室で制服を脱いでいると、電話が鳴った。「こんばんは、岩木です。雅ちゃん、今度の休みはいつですか?」
雅子の胸は高鳴った。雅子と休みが合うことを知った岩木は声を弾ませた。
「ネバーエンディングストーリーという映画をいっしょに観にいきませんか」
「はい、わたしもその映画観たいと思ってました。ご一緒したいです」
「ありがとう。すごく嬉しい。ところで今、何してるの?」
「部屋に帰ってきて、制服を脱いだところです」「風邪ひくような格好しているんじゃ?」
「だいじょうぶです」
なぜかどきどきした。
「今から時間が空いてれば、娯楽室で卓球しないかい?」
「今からお風呂なんです。明日は早番で6時起きだから…ごめんなさい」雅子は電話に向かって頭を下げた。
「そんなに謝らないで。じゃあ、月曜の9時に裏の駐車場で待ってるよ。実はね…」
「えっ?」
「ずっと夢みてたんだ。雅ちゃんと寄り添うことが夢だったんだ…」
「うれしい!わたし…ずっと待ってました…」
「ありがとう。同じ歩調でずっと歩いていけたらいいね。それじゃぁ、月曜日に…おやすみ」
「おやすみなさい」
雅子の胸の高鳴り。上昇気流に乗って飛ぶかもめような気分だった。
憧れの岩木哲郎から、誘われるなんて!しあわせ。なんて幸せな気分。


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