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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第四章』-5

待ちに待った晩ご飯の時間。庭でバーベキューをするらしい。
「秋冬君起こしてくるねっ!」
浜崎優魅が秋冬を起こしに行った。
「わっはっはっ!バーベキューも久しぶりだなぁ!!」
伯父さんがそう言って、ビールを飲んだ。
「あぁ〜、いい匂いっ。」
幾間は復活したみたい。作山となんだか楽しそうに話してる。
「おぉ、バーベキューかぁ。」
秋冬がきた。
「あっ、ビールもらえますか?」
秋冬が伯父さんのビールを見て、そう言った。
「秋冬っ!未成年のアルコールは………!!」
「まぁまぁ春夏ちゃん!いいじゃないか!」
伯父さんは秋冬に缶ビールを渡した。
『プシッ』
秋冬はうれしそうにビールを飲む。
「さぁ、どんどん食っちゃってくれい!」
作山は肉ばっかり食べてる。秋冬は野菜ばっかりだ。
「なんだ?四世弟、肉食わねぇのか?」
「あぁ、肉の油はどうも苦手でな。」
「秋冬君ってじいちゃんみたいだぁ。」
「そうだな!ジジィだな!」
「てめぇら……。」
なんだかいい感じでやってるではないか。
「春夏っ。なに弟さん見てんの?」
梓が私に肉や野菜が突き刺さったのを渡す。私は受け取って、一番先の肉をかじった。
「………友達作れてるのか…心配でさ。」
梓は笑った。
「そんなに心配する事無いんじゃない?」
私は秋冬を見る。
「………秋冬…本当に何考えてるか、わかんないのよね。」
秋冬に浜崎優魅が近付いていった。
「また……学校…行かなくなるんじゃないか…って……。」
あの日、『飽きた』って言って部屋に閉じ籠った秋冬の表情は、凍り付いていた。
全てを悲観するような瞳で、秋冬は何を見ていたの?
今の秋冬の瞳は、暖かいけれど、
再び凍り付くのを、私は恐れている。





バーベキューも終わりに近付き、私はイスに座ってお茶を飲んでいる。
「いやー食べた食べた!」
幾間は梓と二人で話している。
「姉貴〜〜〜。」
………ん?
「姉貴〜〜〜っ!」
「ひやぁぁぁあ!!」
秋冬が私に覆い被さってきた。いやっ、何考えてるの!?
私と秋冬は倒れた。
「いや〜、こいつ飲み過ぎたんだよ。ひゃはっ!」
作山が私を見下ろす。
「飲み過ぎたって……どれくらいよ!?」
「缶ビールを………七、八本?」
「未成年が何やっとんじゃぁぁぁあ!!!」
作山は大笑いしている。秋冬はさっきからブツブツ何か言ってるし。ていうか秋冬って意外と軽い〜〜!
「もう……しょうがないわね……!!ちょっと秋冬を部屋まで運んでくるわ。」
私は秋冬を背負った。
「おぉっ、流石『破壊神』!!力は並じゃないねぇ!!」
「あんた後で八つ裂きね。」
私は歩き出した。


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