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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第四章』-2

「伯父さ〜ん!遊びにきたよぉー!!」
中に入り、梓が伯父さんの名を呼んだ。
「おぉ梓ぁ〜!待っていたよ!」
その伯父さんを一言で言うなら、
『変わり者』って表現しかできない人。
ピンクと赤の派手な柄シャツ、ズボンは半ズボンで、黒地に昇り龍の絵が描かれている。タ〇リみたいなでっかいサングラスに、耳には大きめのビー玉くらいのサイズの宝石がぶら下がってるピアス。
なんだか変な服装だった。
「伯父さんっ。私の友達よっ。」
梓は一人一人伯父さんに紹介していく。
紹介も終わり、部屋の鍵を渡された。
「千里君と梓が二階の端っこで……」
「えっ!?」
「はいぃぃい!?」
幾間と梓が驚いてる。梓も知らなかったんだ。いや、私も驚いてるけどね。
「優魅ちゃんと秋冬君にっ……」
「ん?」
「えっ?」
「はぁぁぁぁあ!?」
最初の声が秋冬で、二つ目が浜崎優魅、最後が私の叫び声だ。
いやっ!待って!秋冬と浜崎優魅がなんで一緒の部屋なの!?
伯父さんは坦々と部屋割りを言う。
「春夏ちゃんと澄君だ。」
ふざっ…けないでよ!!!
「伯父さんっ!!なんで男女ペアみたいになってるの!?」
梓が伯父さんに詰め寄る。もっと言ったげて。
「わっはっはっ!まぁいいじゃないか!甘ぁい夏休みを楽しんでくれい!!」
……え?罰ゲーム?




「梓っ!どうにかならないの!?」
私は梓に詰め寄った。
「無理よ………。伯父さんに逆らったら…兵糧攻めにあってしまうわ……。」
兵糧攻め?あぁ…晩ゴハン抜きとか?
「優魅はすっごいよろこんでるの………。」
秋冬と同じ部屋だからね………。
「諦めようよ。」
梓は肩を落とした。
「なに言ってるのよ!!梓は同じ部屋なのが幾間だからいいけど………私は作山よ!?絶対あいつは獣よ!!狼よ!!」
「だぁれが獣で狼だってぇ?ひゃはっ。」
「!!??」
後ろに作山がいた。三人揃ってトイレに行ってたはずなのに………。
「声が大きいんじゃないの?丸聞こえだよ?」
下品な笑い声で私を驚かしやがってぇぇ!!
『ガスッ』
「へぶっ!」
作山の腹部にグーパンチ炸裂、作山は崩れ落ちた。
「なにしてんだ姉貴。早速暴力で南の島を蹂躙(じゅうりん)か?流石だなぁ。森のくまさんも土下座して逃げ出すぜ……?」
む……秋冬の悪口が聞こえる。
「みんなしてここにかたまるのもあれだ、早く部屋に荷物持っていこうぜ?」
みんなは同意して、荷物を持ち上げる。
「姉貴達とオレ達は一階で、柚木さん達は二階か。」
あぁ、そう言われたわね。
「じゃ、私達この階段上がらないと部屋に行けないから。」
「うん、まぁ千里君に襲われないようにね?」
浜崎優魅が笑って言った。梓と幾間は手を振って二階へ上がる。
「ふぅー。」
私は荷物を床におろした。重いんだよね……色々入ってるから。
「………ほれ。」
秋冬がひょいっと私のカバンを持ち上げた。
「あっ……、」
「持ってやるよ。」
カバンは目茶苦茶重いはずなのに……秋冬にこんな力あったの?
秋冬は身長170cm前後で、梓より少し低いぐらい。体格なヒョロッとしてるわりに少しガッチリしてる、中途半端な感じ。髪の毛は、染めてないのに茶色がかって、髪質もいい。
頭はいいし、運動できるし、ルックスも父親譲りで相当整ってる。
まさに完璧人間。悪いところが見つからないのよ。
「おい姉貴、なんで荷物こんなに重いんだ?死体でも入ってんのか?姉貴なら人を殺しかねな………、」
「ふざけた事言ってんじゃないわよ!!」
『ゴスッ』
あったわ、悪いところ。口が悪いのよ。
「そんな事より…、」
「………?」
私が小声で話しかけると、秋冬は耳を傾けてくれた。
「浜崎優魅の荷物でも持ってあげたら?」
秋冬は鼻で笑った。
「オレはそんなに優しくないんでな。」
………私の荷物持ってくれたじゃん。


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