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【同性愛♂ 官能小説】

花の最初へ 花 1 花 3 花の最後へ

-2

2 「…やぁっ…おろして…」
サンダルを蹴り上げ必死に暴れるが、しなやかな葉と茎は、俺の身体を決して放そうとしない。
俺はただ、無駄に体力を消耗しただけだった。
息が切れ、身体中から汗が吹き出す。
気が付くと、俺はほとんど全裸になっていた。
ユニフォームは水で溶けるようになっていたらしく、俺の汗でどんどん溶けていた。
ぐったりと豚の丸焼きのようにぶら下がっている俺の身体に、スルスルとまた葉っぱが伸びてきて、腰へと巻き付いた。
その葉っぱに支えられ、ググッと花に近付けられる。
眼の前でザワザワと蠢く触手に、鳥肌が立った。
ツッと、その中の一本が俺の方へ伸びる。
「っひぃ…」
恐怖で身が竦んだ。
触手は俺の身体を確かめるように、足先からどんどん上へ移動してくる。
粘膜質のヌルヌル感が、さらに俺の恐怖を煽った。
「や…やだ…」
眼を瞑り、顔を背ける。
それでも触手は俺の顔まで到達し、その上を蹂躙した。
触手の粘膜は甘い香りがした。
ようやく触手が顔面から去り、俺は恐る恐る眼を開ける。そしてすぐに、眼を開けたことを後悔した。
数十本の触手が、一斉にこちらに伸びて来るのを見てしまったから。
「やだっ…来るな…!」
叫んでも触手の動きは止まらない。
右足と左足に巻き付いた葉が、俺の足を広げさせる。
閉じようともがいても無駄だった。
膝を曲げてM字にされ、右手は右足首、左手は左足首の方へ誘導される。そして別の葉が、手首と足首にくるくると巻き付き、それを固定してしまった。腰の葉は俺を解放したが、代わりに脇の下に葉が入り込み、肩にがっしりと巻き付いた。
そうやって俺は、子供がおしっこをさせられるような体勢を作らされ、伸びてきた触手と対面した。
触手は甘い香りを放ちながら、ユラユラと揺れる。
「…い…や…」
俺はたまらず眼を瞑った。
ひやっと足に冷たい感触を感じた。と思ったら、瞬く間に全身にそれが押し寄せた。
(やだぁっ!)
俺は歯を食いしばった。
それは顔にも伸びていたから、口を開けばそれが入ってきそうで、俺は叫びたくても叫べなかった。
触手は俺の身体を懸命に擦っていた。
粘膜質な表面で、ユニフォームの残骸を擦り落としているのだと解った。
ユニフォームは股間に一番残っていて、さっきまでは股間を隠していてくれたそれがありがたかったが、今ではありがたくない状況に変化した。
ヌメヌメした触手が、執拗に俺の股間を責める。
(はぁっ…やぁぁぁ…)
ゴシゴシと擦られ、俺の中心は頭を擡げ始めていた。
(やだ…やだぁ…)
身体の反応を抑えられない。
目尻に涙が滲む。
熱を持ち、硬くなり始めたそれに、数本の触手が絡み付く。
きつく締めたり緩んだりするその動きに、じわじわと快感が沸き起こり、鼻から甘い息が洩れた。
(…っん…やめて…)
薄く眼を開ける。
ヌメヌメとした触手が、身体中に群がっていた。
夢だと思いたかった。だけど絡み付いた葉も、群がる触手も、現実だった。
ふいにぐりぐりと、乳首に悪戯をされる。
「ふあっ…あぁぁん…」
電気が走ったような快感に、声を上げ俺は背を仰け反らせた。
ユニフォームを落とす作業を終えた触手達が、好き勝手に俺の身体を這い回る。
首筋を這い回っていた触手が、耳の穴に進入する。
「やぁっ…はぁっ…あ…ん…」
ゾクゾクと背筋を伝わる快感に、俺は身を震わせた。
数本の触手が乳首に群がり、それを優しく転がす。
「っやめ…あぁぁんっ…」
少し冷たいような粘膜質が刺激となって、快感を増幅させる。
全身を優しく愛撫され、激しい快感に俺は我を忘れた。
いつの間にか、大声を上げて喘いでいた。
股間を弄る触手の動きが、上下に扱く動きに変わる。
「はぁっ…あぁぁっ…あ…あん…」
激しくなった動きに、俺は急速に絶頂へ導かれた。
「んあっ…あああぁぁっ!」
ビクビクと痙攣し、俺は白濁を吹き上げた。
花の中で蠢く触手にそれがかかる。
白濁を受けた触手は、ほのかにピンク色に色付いた。
この時、俺は初めて『受粉の手伝い』の意味を理解した。
俺の精子がこの花と結びつき、種子が作られる。
騙された…。
そう思ったが、今更もう遅かった。
儀式は始まっているのだ。
薄く開いた俺の口の中に、触手が押し入る。
甘い蜜の味が、口中に広がった。
喉の奥まで入り込み、そこで甘い蜜を噴射した。
それは滑らかに、俺の喉を通過して行く。
甘い匂い。甘い蜜。
それに誘惑されるように、俺は口を大きく開いた。
数本の触手が一気に入り込む。
舌に絡みつき、俺の口の中を蹂躙し、甘い蜜を吐き出す。
吐き出されるたび、俺はその蜜を飲み下した。


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