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「雨のち虹」第1話「アンラッキー」-16

「それは不幸な話だね・・要するに悩みの内容の確認とそれの改善って事でいいのかな?」
おおよその依頼内容を確認した
「はい、そうです」
明がいった
「わかった・・じゃあ
ちょっと詳しい事情を紙に書いてほしいから・・そこでまってて・・」
そういってドアに手をかけた瞬間
部室の惨状を思い出した・・
「中には入れないんですか?」
もっともな質問だ・・
「うん・・ちょっと異臭騒ぎが起きてて入れないんだよ」
「部室で異臭騒ぎ?
大丈夫なんですか!?」
少し明が驚いた
「大丈夫だよ・・多分」
自分で言ってて不安になったが、データを入れるノートパソコンも事情の記入用紙も部室にある
「じゃあちょっと取りに行ってくるよ・・」
ドアを開けるのが
ためらわれた・・
今、中には悪魔がいる・・だがまぁ見つからなければ大丈夫だろうと思いドアを開ける

だが・・甘かった・・

そこには井上さんが・・そして
こう告げた
「空くんが食べてくれないなら・・宗くんが食べてくれないかなぁ?」
そして最悪の事態
宗の口の中に半分くらい「ハンバーグ」という「液体」が侵入する
「ぎゃぁぁ!!・・」
・・・・・・・
宗の声が聞こえなくなり・・それを見ていた
明と蛍は唖然として立ち尽くしていた・・



『始まり』
空は正直な所困っていた・・・
今、目の前では女の子が泣いている・・
泣いてもいいかと聞かれて迷わず、「いい」と言った
潤んだ目で
上目使いに(身長差で自然とそうなる) しかも涙声で頼られて断ることは出来なかったからだ

だが今の状況はどちらかというと自分が彼女を泣かせたようにとれるのではないだろうか?
ここは食堂であり
今日は少ないが
人も何人かはいた・・
少し視線がいたかったが、だからといって
今更涙を止めろなんて言えるはずもない
空は立ち上がって
とりあえず頭を撫でた何となくそうした方がいい気がしたから
それにこれで状況が
少し改善されるかも・・そんな期待もあった
シャンプーの香りが
ふんわりと漂う
「ぅ・・ひくっ・・・・ぐす・・」
頭を撫でたとたんに
泣き声は嗚咽に変わった、これは一種の安心感からか・・もしくは
彼女なりの甘え方なのかもしれない

まぁいいか・・こんなのも悪くはないし・・


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