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「雨のち虹」第1話「アンラッキー」-17

しばらくして彼女は泣き止んだ・・
もうケロッとしているあたり以外と立ち直りは早そうだった
「で・・これからどうするんですか?」
「部室に行こうと思うんだけど、いい?」
「はい・・じゃあ
行きましょうか」
あっさりしてるなぁ
まぁそっちの方がありがたいけど・・
あ、その前に
「君のことなんて呼べばいい?」
「・・お好きなようにどうぞ・・」
彼女はどうでもよさそうに言った
さっきの泣いてた姿とはおお違いだ・・
「じゃあ、水綺さん!・・はよそよそしいし・・もう面倒だから
すずちゃんでいいか?」
大した案も思いつかなかったし彼女の容姿にはこれ位の表現がぴったりだと思った
「・・微妙です・・」
「じゃあ・・どうしよう?」
「微妙ですけど、先輩がそう呼びたいなら・・」
彼女は何故かうつむいていた・・
とりあえず呼び方は
決定
「じゃあすずちゃん
部室に行くぞ!」
無駄に勢いよく言った
「どうしたんですか・・急にテンションあげて」
そしてハナで笑って
返された・・
空回りした勢いが胸に突き刺さったようだった・・
「まぁ・・いいか・・」
とりあえずここから出て部室に行こう・・
そう思いながら金を払いにむかう

部室・・?

何かを忘れている気がする・・

次の瞬間急にフラッシュバックした朝の映像・・思い出した友の危機・・
まずい・・このままでは宗が死んでしまう・・
てゆうか時間的にもう死んでいる!?
これは・・急がねば・・!急いで戻るため
会計を済まそうとすると財布の中身に自分で驚愕した・・
「金がたりない・・だと?」
「え・・今・・何て・・?」
すずめが問いかけてきた
「はは・・ごめんなさい!五十円貸して!」

「・・先輩・・今ある意味すごい事いってますよ・・」
分かってる・・!
奢るとか言って誘ってそのままいきなり
勝手に悩みを探って
その上金もない・・
我ながら先輩としての評価は・・まぁ最悪だ!
「まぁ・・助けてくれたお礼まだしてませんし・・ここは私が払いますよ」
「ありがたい!本当
ダメでごめんなさい!」
かなり卑屈になっていた・・自分で考えても
情けなかったからだ
「はぁ・・・先輩の人柄が掴めません・・」
すずちゃんは露骨にため息をついていた・・

そっからは猛スピードで帰った
部室の様子を確かめたかったからだ・・
「っ・・先輩・・速いです・・っ」
すずちゃんはあまり
体力が無いようだった
しばらく走ったので割と早く部室についた
が、状況は思っていたより悪かった・・
扉からは・・宗と思われる人物の足がはみ出しており・・それを
二人の男女が唖然と見つめている・・
「っ・・なん・・なんですか・・?アレ・・」
後から続いたすずちゃんが息を切らしつつ
不思議そうに首をかしげた・・
「・・さぁ何だろうねぇ・・」
こっちが聞きたかった・・
正直どうやったら料理で人を廃人に出来るかには・・なかなか興味があるかもしれない
・・
こうしてぐだぐだに始まっていったのだった・・・・

第一話


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