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サボり魔と委員長の屋上
【青春 恋愛小説】

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サボり魔と委員長の昼休み-1

現在、昼休み。
学生にとって、昼休みという時間はオアシスだと常々思う。
日夜勉学に励み、精神を削りながら、脳に知識を詰め込む。
そんな青春の砂漠の中にあると言ってもいい昼休みというオアシス。
素晴らしいよね。
そんな素晴らしい昼休みは11月の初めでも晴れてるおかげか、それとも地球温暖化が進んだせいか、それなりにあったかくて過ごしやすい。
いつもの屋上の上で昼寝するには持ってこいの環境だ。
「広見ぃ、居るんやろー?起きとるかー?」
う、僕の平和を乱す破滅の使者が来た。
…薫なんだけどね。
最近、彼女はある事に凝りだした。そのある事の実験台に選ばれたのが、他ならぬ僕。
昔から人体実験って、危険が伴うよね。ホント、何回悶絶しかけたかわからないし。
今日こそは、平和に昼休みを過ごしたい!
と、言うわけで……。
「広見ぃー……って、ホントに寝てるんかいな。せっかくお弁当作って来たったのに……」
薫が上がって来て、そう言った。
うぅむ。彼女の愛が詰まった弁当は食べたいけど、僕はまだ死にたくない。

む、薫が僕の顔をのぞき込んでる。
「………狸寝入りちゃうやろな」
ギクッ。
いやいや、落ち着け、衣笠広見。大丈夫、僕の演技力は一流だ。
「んーーー……ホントに寝てるみたいやね」
そう、寝てるんだよ。だから、今日は諦めて、自分で自分の弁当を食べてみて!
そして気づいて!
それがもはや殺傷兵器となっていることに。
その時だった。やっぱり秋になると風がよく吹く。
「…キャア!?」
キャア……?
今、薫がキャアって言った?今まで聞いたことないよ。薫がそんな事言った?
どんな顔してるのか見てみたい…。
そして、更に薫は追い討ちをかけてきた。
「もう、スカート捲れてしもたやないの!」
……。
そぉーっと目を開けて……。
「やっぱり狸寝入りやないの」
目を開けた先には、薫の意地悪い顔。
すーっと、目を閉じる。
「……寝てますが何か?」
「バッチリ起きてるやんか」
…バレちゃったか。
観念して、体を起こす。
「広見ちゃんも、男の子やねー」
楽しそうな表情と声で、僕をのぞき込んでくる。
「やれやれ、まさか薫に騙されるとはね」
「ふふん。ウチも成長してんねん」
胸は成長してないけどね……グハッ!?
「今、胸は成長してへんとか思ったやろ」
思いっきりハリセンチョップされた。……というか、どこから出したの、それ?
「広見の考える事はだいたいわかるんやぞ」
ありがたいね。僕の事をそこまで理解してくれてるのは、彼女だけだ。親でさえ、あぁだったからなぁ。
「……なに考えてんの?」
「いや、ちょっとね」
「またウチに見とれてたんか?」
いや、そんなニヤついた眼で見られてもねぇ。そうじゃないんだけど、そうしておこう。
「まぁね」
彼女に余計な心配はさせたくない。
「ふぅーん、まぁえぇわ。そんな事よりも、これ」
う、出た。
彼女がカバンから取り出したるは、お弁当と言う名の殺傷兵器。 絶対にそのうち、国際条約で使用が禁止されるはず。


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