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ピアノ
【同性愛♂ 官能小説】

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ピアノ-6

音楽が止まった。先生が気付いた。
「来てたのか」
「…うん」

「そこ座れば」
「…うん」
いつもの先生だ。いつも通り。
俺も普通にしなきゃ。
普通って…何だっけ。いっつもなんて接してたっけ。分かんない。

先生がポケットから、煙草とライターを取りだした。ここで吸っていいのかよ…。
「吸うか?」
「…やめとく」

教師が生徒に煙草を勧めるか?普通。
あ…!
「先生、眼鏡が…」
「ああ、コンタクトだよ。誰かさんのお陰でな」
慌てて立ち上がる。
「ごめんっ先生。弁償するから…っ」
「いいよ別に。代えようと思ってたとこだし」
「でもさっ…」

「じゃあ…責任取れよ」

机にもたれ掛けてた手を払われた。
「うわっ!」
支えが無くなり、体が前に倒れた。
ギュッと痛い程強く抱き締められる。
「先生…痛い」
「…今、コンタクト落とした」
「えっ」
ピアノの下に潜り込む。
「先生あった?」
ふと、顔を上げると目の前に先生の顔があった。
不意に制服の襟を引っ張られ、引き寄せられる。
「せんっ…う…」
はあっ…
「仕返し」

先生が意地悪く笑った。
「お前から仕掛けたんだからな。責任持てよ?せっかく我慢してたのに…。知らねえぞ、もう」
え…?
我慢してたって…?何?
「まぁ、ココは音楽室だし?防音は完璧ですよ。さて…何しようか?」
「ちょっと…待っ…んっ」
口を塞がれた。
「…待てない」
動けないでいると、先生の舌が侵入してきた。
口内を掻き回され、歯列を舌でなぞられる。
舌先を持って行かれ、軽く噛まれた。痛みはなく、ジンジンし出して熱を持ったように熱くなる。
驚いてる心とは裏腹に、押し寄せる甘い感覚。
肩から力が抜け、息が漏れた。
「はっ、あ…なんで…んぅっ」
またキスだ。
なんで…
「俺は、押し倒されて黙ってられる様な性格じゃない…先に引き金引いたのはそっちだからな、止めないよ」
でも…と言いかけて、先生は辺りを見回した。
「このままだとしづらい。…移ろうか」
有無を言わさない笑顔。
先生が壊れた…
こっちだって、さっき気付いたばっかなのに…。
そう思いつつも足は動く。
情けない…。

ピアノの下から出た途端、腕を引っ張られ、壁に押さえ付けられる。
先生はネクタイを緩め、俺の首筋にキスを落とす。
唇が離れると、射るような眼差しが俺を捕らえた。

俺も覚悟を決めるか…。

先生の黒髪を撫で上げ、唇にキスをした。


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