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微笑みは月達を蝕みながら
【ファンタジー 官能小説】

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微笑みは月達を蝕みながら―第壱章―-10

「…あん…!!」
 陰毛がパンティから剥がれる感触に、白が声を立てる。
「夕くん、もう、入れてもいいよ……?」
 ゆっくりと股を開きながら、白が受け入れる準備をする。
(これが……女の………!)
 今はネット上でいくらでも猥褻な写真があって、夕も少し見たことがある。その時はただの肉にしか見えなかった。
でも初めて見る女のそれは、とてもグロテスクで、とても綺麗だと思った。
「……な、舐めていいか?」
白は笑顔で、無言で答えた。
とぷとぷと愛液が溢れだす穴があって、その上に小さな突起物がある。
それを舐めてみた。
「ひゃ!!!」
強い刺激に白はこれまでになく高い声を出した。更に愛液が溢れだす。
とうとう夕は愛液の泉に舌を入れた。
「ああああ!!」
まるで塩をかけた牛乳のような味。気持ち悪くなんか全然無くて、もっともっと飲みたくて、鼻まで埋めて愛液を舐める。呼吸が苦しくなっても貪る。
 時折激しい吐息が白の最も敏感な部分にかかって、その度に白の足の指が開いた。
「あ、あ……ゆ、うくん……お願い、入れて……」

途切れ途切れの言葉は、白の限界が近い合図で。
夕ももう、はち切れそうで一刻も早く入れたい。挿れたい。
「挿れて…!!」

ずぶり、と夕の肉棒を白が飲み込んだ。
「はああん………!!」
「くうう!……あ、今俺セックス……してるんだ」
「そうだよ……動いて、いいよ」
ゆっくりと、腰を動かす。それだけでもう出てしまいそうだった。膣が優しく肉棒を包み込む快感に、童貞の夕は長く耐えられない。
「あ、出る、出る出る!!!」
「いいよ、いいから……出して!!」
 ブシュッと弾けた。
抜こうとするが間に合わず、白の中に出してしまった。
「ご、ごめん!! お、俺」
「夕くん……私は吸血鬼だから、大丈夫。それより、……まだ萎えてないね」
 陶然とした声に、夕は震える。何かに耐えるようなその顔は、夕の欲情を再度掻き立てるのに充分過ぎた。硬さを取り戻すのが、分かる。
白の腰が艶めかしく動く。本能だけでなく、明らかに快感を得るための計算によるリズミカルな動きに思わず引こうとするが、尻を押さえ付けられ、女肉を擦り付けられる。
「あ、あああ!! い、いい、 いい、夕くん!」
「は、は、は……あ、は」
白の言葉に答えられない。二度目の射精が近付いていた。
「夕くん……私、イくよ……!?」
「俺、も……!!」
ぎゅう、と膣内の肉が夕自身を握り締め、
「ははああああああああああ!!!」
白の長い絶頂。
夕も二度目の精を、吐き出した。


「よかったよ……とても」
 白は夕の赤い髪を、指で梳きながら言った。夕は髪がコンプレックスなので、そんなことをされるのは不愉快なはずだが……今はそれも気持ちよかった。
 肉棒が引き抜かれ、夕はそれを寂しく思う。
でもそれ以上に、白の顔は寂しそうで、
「夕くん」
 どこか悲しそうで……
「……夕くんは私のこと……好きになってくれる?」
「……もう、好きだよ」
 そう、答えた。
 白はその答えに“微笑む”。
 あの現実離れした美しさは無かったけれど、それでも夕はその微笑を綺麗だと、思った。
 “事が終わった後相手の髪を梳く”という仕草を、誰から教えてもらったか知らない夕は、その瞬間、本当に幸せだった。


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