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clumsy
【学園物 官能小説】

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clumsy-6

「俺は…お前が好きだ。」
「…あ…たし?!嘘だ!!」
「嘘じゃね-よ…。好きなんだよ…でもッ」
泰牙は続けた。
「悪い…俺マジ最低だ…。無理やり…ごめん。」
「…うん。や、でも…もともとはあたしが悪いし…。ごめん、嫌な事言って。」
―グイッ
「わッ」
気付くと泰牙の腕の中にいて、
「お前…俺の事好きって言ったよな?」
耳元に泰牙の声が聞こえて、
「え…う、ん」
ちょっと身震いした。
「俺、お前の事好き過ぎて死ぬ… 」
「…意味わかんないよ…」
泰牙の胸に顔をうずめ背中に手を回すと、泰牙はギュッと抱き締めかえしてくれた。
「…しばらくこうさせて…」
槙は泰牙のその言葉にそっと目を閉じた。

聞きたい事は一杯あるけど、今はまだ…泰牙が顔を上げられるようになるまでは温もりを感じていよう。
あたしが一番求めていた温もりを。

《完》


―帰り道
「あたしね-、きっと嫌だったんだと思う。」
真っ暗の夜道を、泰牙に背負われて歩く。
「何が?」
寒い外気が肌をさすけど、広い背中はとても温かかった。
「泰牙が他の子と喋ったりすんの。」
「へぇ〜」
「古賀さんの時とか…ショックだった。てか、本当ごめんね、酷いこと言って。」
「あ〜…うん。まぁ、こんな奴好きになったのはお前だしな。」
「…まぁそういう事になりますな。」
「俺もごめんな…」
「本当だよ!!マジ恥ずかしくて死ぬ…」
「…すいません。」
「…まぁいいわ。で?」
「あぁ、で、うん…。お前はぁ俺の事眼中にないようなのでぇムカついちゃった〜…的な感じ…?」
「ふぅん…」
「お前さぁ、何で俺の前では仏頂面なの?」
「何で…って。ムカつくから?」
「…落とすぞ。」
「ちょッ怖い〜!!ごめんってば!!」
「…」
「…ごめん。あたしもよくわかんないんだ。本能としか考えられない…」
「…これからは嫌な顔すんなよ…」
「う…ん。」
「今の間何だよ?」
「う〜ん?」
「…」
「好きだよ。」
「なッ…んだよいきなり…」
「んふふ〜」
「キモイ…」
「…」
「ごめん…いつもの癖で。」
「あ。クッキー。」
「ん?」
「…もう貰わないでね。」
「…あぁ、あれね。うん。つか、俺甘いもの嫌いだし。」
「食べてたじゃん。」
「あれは〜…お前がヤキモチとかぁ焼いてくれるかなぁと思って…」
「…ふん。」
「鼻で笑うな…」
「そんなにあたしの事好きなの-?」
「…」
「ヲイ。」
「好きですけど何か」
「おぎやはぎっすか。」
「お前、そんな奴だっけ?」
「…ど-ゆ-意味?」
「ん-?ちょ-愛してるって事」
「…」
「あ、照れた?」
「泰牙ってこんな奴だった?」
「それはど-ゆ-意味で?」
「恥ずかしいわ、馬鹿!!」
「いてッ」
「でも嬉しい…」
「…お前…」
「え?」
「胸当たってるか-ら-」
「えっち!!」
「男は狼なの。」
「…。」

そんな2人の恋愛は始まったばかり。


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