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ゴロとボクら。
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ゴロとボクら。-2

居間に集まる家族に 
「実は…みんなにお願いがあるんだけどぉ」
と言葉を濁しながら始めた。 
「どうしたの?」
母が真っ先に食い付いてきた。 
「ネコをしばらくの間、預かることになったんだ。」
母の顔はいつになく険しい。
また馬鹿息子が厄介を持ち込んできたなぁと察したようだった。
「いいかげんにしてちょうだい!大体うちにはもう二匹もネコがいるんだし…」
とまくしたてられた。
勢いに飲まれてはいけないと背中に隠しておいた最終兵器を取り出した。

他ならぬゴロ本人である。
ゴロを母の膝にちょこんと乗せてみた。 

「しっかり面倒みるから頼むよ。」 

ゴロも人懐こい性格が功を奏して甘えてくれた。 
一瞬にして母の表情が丸くなった。 
母は頭を撫でながら 
僕を睨み付け 
「一週間だけよ!」
と言い放った。 

はいはい。 

と返事をして部屋に戻り、ガッツポーズ。 
なんとか情に脆い両親は陥落させたようだ。 


…と安心したのもつかの間。 
ゴロはうちのネコを威嚇しはじめた。 
うちのネコはもう10年以上我が家で暮らす老ネコである。 
ゴロが唸り声をいくら上げてもちっとも動じなかった。 

しかしここで喧嘩をされては今までの苦労も水泡となるので慌ててゴロを抱き抱え部屋に戻った。 
ベッドの上にゴロを座らせ向き合って伝えた。 
「ゴロ。おまえがここで喧嘩されたらおまえはこの家を追い出されてしまうんだぞ!
うちのばぁちゃんネコ達と仲良くやってくれ。頼むから。」 

ネコに本気になって諭しても伝わるだろうか。 
ゴロはわかってくれただろうか? 
とりあえず部屋に置いとくことにした。 

いつもと勝手が違うこの小汚い四畳半の我が城は本と仕事道具で溢れかえっている。 
積み上げた本や資料を足場にしてゴロは本棚の上やベッドの下を探検しだした。 
その度。 
ガラガラガラ。 
ドン。ガチャン。 
と物が落下しだした。 

おいおい。やめてくれぇ。 
ゴロはようやく足を停めた。 
お気に入りの場所を発見したらしい。 
テレビの上で伏せながら部屋全体を見下ろしていた。 
ネコは狭いとこ、冷たいとこが好きらしい。
落ち着いたところを見計らってゴロの寝床を拵えてあげた。 
段ボール箱の上を開いてそこに毛布をセット。 
30秒で完成のゴロ専用ベッドだ。 

そこにゴロを入れて頭を撫でて眠気を誘発してみた。一日のこいつにとっての長旅や環境の変化で疲れたのか 
いつの間にかゴロは眠りについてくれた。 
段ボールの寝床は僕のベッドを半分くらい占領して。
次の日。 
慌てて目を覚ますと、ゴロがいない。 
「ゴロ〜!」
と読んでも返事もない。 
不安になって居間に行くとガツガツとキャットフードを食べていた。 


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