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『恋人。』
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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『恋人。』-1

【恋人 2002】

アタシが彼と出会ったのは高1の秋。彼はその年の春に福岡からアタシの地元(?)に越して来た人だった。彼の家は隣駅。始めの頃は博多弁と早口な感じに ついて行けずに彼を何度もイライラさせた。
イロイロあって仲良くなり、なんとなく付き合う事に。
この時の「なんとなく」がなかったら今のアタシは無い。
これも運命だと思う。

彼は特殊な人だった。何もかも優れていた。
家は病院の家系。器用で なんでも出来た。頭も凄くよかった。特に容姿が綺麗でビックリした。彼には自分と双子の妹がいた。妹もまた綺麗だった。

彼は少し人嫌いな感じだった。特に自分の容姿目当てで近づく女の子への対応はひどかった。男にも女にも冷たかった。正直 彼と付き合い始めの1ヵ月間はケンカばかりだった。彼からの電話も取りたくなかった。

アタシと付き合って行く内に彼の性格、人当たりが柔らかくなって、よく笑う様になった。彼はアタシのおかげだと言っていたけどアタシは何もしていないと思う。でも嬉しかった。
この頃、まだ付き合って2ヵ月しか経っていなかったけど、アタシは彼が大好きで仕方なくなっていた。

こんなに幸せで良い時期にアタシは彼に重大な事を2つ聞かされる。。。

まず1つ。
彼は特殊な心臓病を持っていた。
日本じゃ手術できない。やったって完全に治る事はない。それなら手術する意味は無いからやらない と彼は言っていた。

そして2つ目。
彼には女の子の子供がいた。福岡に住んでいた時に付き合っていた年上の彼女に赤ちゃんができてしまい、彼女は周りの反対を押し切り出産。その時の事を色々聞いた。彼と彼女の2人にしかわからない事情。今でも彼女と連絡を取っているらしい。

かなりショックだった。
16歳のアタシには理解し難い内容。ここまで知ってもアタシは彼から離れる事はなかった。それ程好きだった。辛いけど別れる事のが嫌だった。
アタシはこの2つの事を背負って彼と一緒にいると決意。どいにか受け入れてやると。
ここまで来ると友達の恋の悩みや、今までの自分の悩みがクソみたいだと思えた。

16歳の冬、少し大人になった気がした。


【恋人 2003】

高2の春、浮気をした。
アタシが。
彼の子供の事がどうしてもモヤモヤしてしまう。
受け入れたつもりでも本当は納得できていなかった。しかも彼とは学校も違うし、アタシはバイトもあるし、彼は通院やら色々で会える事が少なかった。
それも浮気の原因だろう。
アタシは1個上の人と仲良くなり、少し好きになってしまった。相手は普通の高校生。本当に普通。当時のアタシは普通の事に憧れていた。有り得ない悩みとか家が近いのに会えないとか…高2って一番遊べる時期なのに彼氏と好きな事できない。それが嫌で仕方なかった。
相手の人もアタシを好きだと言ってくれていた。アタシに彼氏がいるのも知っていた。一緒に遊んで手ぇ繋いだだけだけど、気持ちは揺れてた。完璧な浮気だ。
この時期アタシは彼と別れるかどうか凄く悩んでいた。周りの友達にも相談して沢山迷惑かけたと思う。友達に感謝。特に仲のいい男友達が一生懸命に話を聞いてくれたのを覚えてる。やたら長文のメールを夜中までしてた。彼には昔からよく助けられてると思う。本当に感謝。

結局彼と別れる事を決意。彼に好きな人ができたと告げる。。。
彼は泣いた。
アタシも泣いた。
2人で沢山話し合った。
そして別れる事をやめた。
もう一度やり直そうと決める。
やっぱり彼から離れる事はできない。


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