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恋色
【青春 恋愛小説】

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恋色A-2

その時
「あっ!!昶(あきら)」
急に蒼太が誰かを呼んだ

それに気付いてこっちに近付いて来る男の子

背はあまり高くないけど
黒渕の眼鏡と茶髪がよく似合ってた

この人は知ってる
でも見たことあるだけ
蒼太といつも一緒にいる人だから
そして松永くんと一緒にいるのも見たことあるから

そんな事を考えてて私はぼーっとその「昶くん」を見つめていた

「瞳!お前見すぎだから」
そんな私に気付いて蒼太が呆れた様に言う

「えっあっごっごめんなさい」
急につっこまれてどもってしまった
「何か俺の顔についてた?」
「ううん違うの
ただ見たことあるなって思って」
「当たり前でしょ〜同じ学校なんだから」
ユミもまた呆れた様に言う
「そうだけど…」

「ははは 面白いね佐倉さんだっけ?」
「うん…何で知ってるの?」
「あ〜…良く聞くから」
……えっ!?

キーンコーンカーンコーン「はい席座れ〜」

チャイムと同時に教室に入って来た先生のせいで
気になる事が聞けなかった

私は一番後ろの席に着いて
斜め右前に座る「昶くん」の背中を見つめながら
短い間にいろいろ考えた

良く聞くって何でだろ…
いっつも追試受けてるからかな
いっつも遅刻指導対象者だからかな

考えだしたら止まらない
でも…さっぱりわからない



━ガラガラ
「おい!遅いぞ」

「すいませ〜ん」

突然聞こえた音と声の方を向く

━松永くんだ!

松永くんは一年の頃からよくHRに遅れて来る

そんなちょっといい加減な所も好きなんだから
自分で自分が可笑しい

急に登場した松永くんのせいで
さっき考えてた事はすっかり頭から飛んで行ってしまった



松永くんが座った席は私の列の一番前だった

近いんだか遠いんだか…




(終)続く…


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