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恋する日々
【学園物 恋愛小説】

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恋する日々〜磯寒菊〜-3

「ゴチになりまーす!」
「まーす!」
テーブルの上にはSランチが6つ並んでいた。
「なんで全員に奢るはめに…」
「俺だけ奢りってのもアレだろ?かなり儲かったんだからいいだろ」
「ごめんなさい工藤君私の分まで」
「あ〜…いいいい、こうなりゃデザートでもなんでも頼めおめーら」
「やったぁ!」
…学園が始まってもう2ヵ月が経つ。そんだけ経つとこの二人の事も少しすつだがわかってくる。藤野はなんていうか…女版信太って感じだ。いつも明るく笑ってて盛り上げてくれるしこっちまで楽しくなる。誰とでも仲良くなってそうだ。獅堂は一言で言えば大人しい子。始めは少し距離がある感じはしたけど今ではそれは無くなった。俺等が馬鹿やってるのを見て驚いたり優しく笑ったりしていて見ているとなんか和む。それで今…俺が気になっている子でもある。
「……と」
なんつーか、今まで会った子とは違うっていうかこう…守ってやりたいっていうか…
「…ぇ、……と」
前に信太に惚れっぽいとは言われて気をつけていたが心に残るっていうか考えちゃうっていうか…
「誠!!」
「うぉあっ!?…びびったぁ、なんだよいきなり…」
「さっきからずっと呼んでるよ」
考えに耽っていた誠には香織の声が届いていなかったようだ。
「あ…そうか、悪ぃ。ところでそこの二人はどうしたんだ?なんかアメコミみたいな顔してるが…」
信太と理菜に顔を向けると誠の言葉通りの顔をしていた。
「私が、そういえばもうすぐテストですねって言ったら…」
「こうなったと…」
「テスト?ハハナニソレ?」
「テストナンテゼンゼンラクショーダヨ」
「工藤は知ってたが藤野もか…」
食後のお茶をズズっと啜りながら礼はぼそっと呟いた。
「ちくしょー!テストなんてするより将来役立つ知識を教えろってんだ!」
「そうよ!アタシ達の中身を見てほしいよね!」
「……ふぅ、現実逃避の次は逆切れか。まさに負け犬だな」
礼の冷たい言葉
9999のダメージ
パーティは全滅した
「うわぁぁぁん!まこえもーん!礼がいぢめるよぉぉぉ!」
「誰がまこえもんだ!」
「うぇぇぇん!あやちゃ〜ん!柳君がいぢめるよぉ!」
「えっと…よしよし」
ついには泣き出す二人。始末に終えんな…。
「仕方ないね、今回もアレやるしかないね」
一連の流れを黙って眺めていた香織が口を開いた。
「アレ…か」
「アレだな」
「うっ…アレか」
「ねぇねぇ、アレって何?」
香織が言ったアレ。その言葉を聞いたとたん表情が変わる4人。理菜はあやなと同じくアレがわからず疑問を口にした。
「アレっていうのはな俺等が中学から続いてきた伝統的な事なんだ」
「その名も…瞬間的知力向上対策会!!」
「………ナニソレ?」
「早い話がテスト勉強だ」
「と言っても信太一人を徹底的に勉強させるんだけどね」
「…あれ?他の皆は勉強しないんですか?」
アレ、信太一人の為の集中的なテスト勉強会の説明を聞いて、ふとあやなが聞く。
「それは大丈夫だよ。私はそこそこ取れるし礼は学年トップ外した事ないし誠は公約で学年50位以上は取るから」
「公約…?」
「あぁ、ここ規則が緩いけど一応髪染めるの禁止だろ?だからこの髪を認めてもらう代わりに毎回テストで50位以上取るって言ったんだよ」
誠は少し長い銀色の前髪をいじりながら答える。


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