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恋する日々
【学園物 恋愛小説】

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恋する日々〜磯寒菊〜-4

「そういやなんで銀なんだ?ずっとそれだけど」
「…なんでだっけな、忘れちまった。でも気に入ってるしな」
そう答える時一瞬悲しそうな目をしていたのを誰も気づく事がなかった。誠にとってはあまり答えたくない事だからだ。
「ふ〜ん。それより、アレやるんだったら今回はどこでやるよ?」
赤点回避の道が見えた信太はテスト勉強についての打ち合わせを始める。
「俺ん家は無理だな。知っての通りの狭いボロアパートだからな」
「図書館は?」
「あそこはな〜んかいずらいんだよな〜」
勉強会に一番必要なのは場所。大人数で遅くまでいられる場所を探すのが最も重要なのだ。
「あの…」
様々な意見が飛び交う中、恐る恐る手をあげる。
「ほい、獅堂。いい場所知ってるのか?」
「はい。場所が必要なら私の家に来ませんか?」
「あやなの家か…あそこなら大丈夫だね」
「いいのか?いきなり大勢で押しかけて?」
「構いません。是非いらしてください」
「なら、獅堂の家で決まりだな」
「アタシもこれで一安心だよ〜」
「じゃあ次は役割だが…」
こうして放課後の予定を決めながら昼休みは過ぎていった。


放課後。誠達はテスト勉強をする為にあやなの家に向かっていた。あやなの家は町の東側にあり学園からは少し遠い。だが、それを感じさせない程に話が弾んでいた。
「へぇ〜じゃあ神那君はいっぱいバイトしてるんだね」
話は誠のバイトについて盛り上がっていた。
「苦学生だからな」
「どんなアルバイトをしてるんですか?」
「えぇっとコンビニ、スーパー、清掃員、警備員、着ぐるみ、海の家、漁船、塾の講師、運送業者、引っ越し、覆面レスラーの代理、漫画のアシスタント、内職…」
「待て、いくつかおかしいのがあるだろ」
「まぁ今は朝の新聞配達とテリオス、後は臨時の短期バイトくらいだな」
礼のつっこみは流された。ちなみにテリオスとは町のレストランであり結構有名である。
「よくやるなぁ…つーか小学校の時なんか雇ってくれないだろ」
「使える使えないはまず仕事をさせてみてからにしろって喧嘩売ったからな」
「なんてやつだ…」
「おかげで体は異常なまでに鍛えられたし金は入ったしいい事だらけだ」
「自覚はあったんだな」
「あ、着きましたよ」
話に区切りがついたところであやなの家に着いた。
「………でけぇ」
「さっきから続いてた壁は塀だったのか…」
あやなの家は一言で言えばまるで漫画に出てくるような豪邸だった。
「まぁ私も初めは驚いたよ。そのうち慣れるよ」
香織は慣れた様子で門をくぐり中に入る。少し遅れて誠達も後に続く。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
門をくぐり歩いていると掃除をしていたタキシードの老人が声をかけてきた。
「ただいま佐々木さん」
「こんにちは佐々木さん」
「お久しぶりです美袋様。おや?そちらの方々は…?」
「学園のお友達。皆で勉強会をするの」
「はじめまして神那です」
「工藤っす」
「藤野理菜でーす」
「柳です。今日はお邪魔します」
「勉強会ですかそれはよい心がけですな。申し遅れました、私、佐々木と申します。この家で執事をやらせてもらっています。さぁお部屋にご案内致しましょう。」
「ありがとう佐々木さん」
「「「お邪魔しまーす」」」


誠達は佐々木の案内により客室に来ていた。


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