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熱帯魚の躾方
【SM 官能小説】

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二人のお正月-1

 今年もあと二時間ほどで終わりを告げ、新年を迎える。梨花を亡くしてそろそろ十六年になる。年末年始は娘の夏希と二人のことが多かったが、夏希が友達と遊びに出てしまうので、三ヶ日は独りで過ごすことが多かった。
 料理上手な梨花が作ってくれた年越しそばや雑煮の味が懐かしく、自分で再現しようと頑張るが中々上手くはいかない。

「ね、御主人様…。」「ん、どうした?」柚子を浮かべた湯船の中で、沙莉の笑顔が揺れる。「どんな一年でした?」「うーん、色々と多すぎて一言では言えないなぁ。」沙莉が私の膝の間に背中を預けてきた。「お前は、どうだった?」「うーん、激動の一年でした。特に七月から。」「どんな感じ?」「御主人様に出逢えたことが一番かな。」
 沙莉が言うには、私と出逢ってから初めて経験することの連続で、性格も陰キャじゃなくなり、人見知りもあまりしなくなった。顔もスタイルも本人は何も変わってないと思うのだが、周囲からセクシーになったとか、眼力が強くなったと言われるようになったらしい。
「今ね。多分、人生で一番幸せです。」右肩に乗せた沙莉の顔がこちらを向く。軽くキスを交わす。「アンっ、ご調教の日じゃないのに嬉し!」「正月だしいいだろ。風呂も一緒だし。」湯に浮かんだ沙莉の白く大きな乳房を弄ぶ。

「私の一年か…。」春に夏希が留学でアメリカに発ってから、沙莉に出逢うまでは、何処か虚ろで希薄な毎日だった。沙莉と仕事を共にし、一緒に住み、調教を始めてからは、人生で一番充実した日々を送っている。
 沙莉は日に日に知名度が上がり、モデルや女優として活躍し始めていくだろう。ルックスやスタイルもずば抜けているから、メディアでの露出が増えればあっという間にスターになっていくだろう。
 そうなれば、私は彼女の人生の邪魔にしかならない。沙莉が有名人になったら、別れて身を引こうと考えている。早ければ今年、遅くとも来年にはきっとそうなる。
「御主人様?」「えっ?」「何か思い詰めたような顔をされてたので。大丈夫ですか?」「すまんすまん、調教のこと考えてた。」「ハァハァ…。やん。」薄いピンクの小さな乳首を指で転がす。

 長風呂から上がると濡れた髪のまま、沙莉がキッチンに立つ。「先に髪を乾かしなさい!風邪惹くぞ!」「は、はい。ありがとうございます。」
 年越しそばは私が作ることにした。昆布出汁に薄口醤油と砂糖、煮切り酒を使ったシンプルなものだ。具は鶏肉、薄揚げ、葱を入れる。
 髪を乾かし、もこもこしたラベンダー色の上下を着た沙莉がキッチンに並んだ。いつものように小尻を擦り寄せてくる。「うわぁ〜!美味しそう。」手打ちとはいかないが、生蕎麦を茹でての年越しそばは格別だ。
 紅白を観ながら、蕎麦を啜り、風呂での続きのように今年の思い出を語り合う。

 恒例のゆく年くる年を観ながら、新年を迎えた。二人で新年の挨拶を交わす。
「んふふ、こんな年越し初めて。」沙莉と再び軽いキスをする。調教時以外はキスも裸で触れ合うのもしないのだが、三ヶ日くらいはいいだろう。調教もセックスもせずに一緒に寝るのは初めてだった。

「おはよう御座います。明けましておめでとうございます。」まだ一緒に布団にくるまる沙莉が寝ぼけ眼で挨拶をする。「おはよう。新年の挨拶はもうしたよ!」「うーん、そうだった。お腹空いた!」「うん、御節食べような!雑煮は俺が作るよ。」

 雑煮と御節を少しだけ食べて、御屠蘇を酌み交わす。「はぁ〜!お正月だぁ。そうだ!初詣行きませんか?」ちょっと、ほろ酔いのまま近くの神社へとお参りに行くことにした。
 着物姿の女の子達を見ながら、沙莉がつぶやく。「来年は着物で来たいなぁ。」「良い子にしてたら買ってやるよ!」「本当ですかぁ!やったぁ!」軽く持っていた左腕を抱きしめる。
「おいおい、歩きにくいよ!」「俺達って周りからどう見えてるんだろうな?」「どうって?」「父娘かな愛人かな?」「そんなの恋人ですよぉー!」「そろそろ周りの目も気にしないとな。沙莉の仕事に悪影響になる。」「そんなの恋人でいいんじゃないですか!」「ダメだ!悪影響にしかならないよ!」
 沙莉が俯いて黙ってしまった。これから有名になっていけば、少しずつ距離を置かなければならないだろう。可哀想だが仕方ない。
 
 神社に着くとたくさんの露店が出ていた。沙莉が腕を離して露店を見て回る。「ねぇねぇ御主人様、あれ買いたい!」浮かべる笑顔は少女のようだ。「こらこら、外じゃダメ!」人差し指を唇にあてる。「あっ、はい。」
 沙莉がねだった回転焼とどんぐり飴の店へと向かう。自販機のコーラを回し飲みしながら、熱々の回転焼をつまむ。

 本殿へ参拝し、初詣恒例のおみくじを引いた。沙莉は、大吉で夢に手が届く、代わりに代償もあると書かれてあった。私は吉で、あまり大したことは書かれてなかった。

「今日は、ゆっくりと過ごして明日は調教初めだ。」「はい、御主人様。」また左腕に抱きついた。

「調教を始める。」「御主人様、ご調教宜しくお願いします。」沙莉が私の足の甲を舐める。
 正月らしく下着は、白いレースの上下にガーターベルトとストッキングも白にしたようだ。
「沙莉、正月にすること言ったらなんだ?」「はい!えーっと御節、お雑煮、お餅に御屠蘇…。」「こらこら、食い物ばかりじゃないか!」「えへへ…。」沙莉が可愛くて調教なのに思わず顔が緩む。
「他は?」「書き初め、羽子板、福笑い、凧揚げ、独楽回し…とか。」「まずは、書き初めから始めてみようか?夏希の部屋の机引き出しに書道の道具があるから取って来なさい。」赤い首輪を着けた沙莉が階段を上がる。直径3cmのペニスの形をしたディルドを準備する。インパクトドライバーとドリルの切先を用意する。


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