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人魚の会議
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人魚の会議-3

おじいさんはまだ海を見つめています。

すると、5歳くらいの女の子がおじいさんに駆け寄ります。
おじいさんは女の子を見つけて、抱き上げ頬にキスをしました。
おじいさんに抱き上げられたまま女の子は言いました。
「ねぇ、さっきうみからでてたあれはなんなの?」
あれは人魚だよ、おじいさんは言いました。
「あれがにんぎょなの?」
女の子はがっかりとした顔で言います。



「にんぎょってきたなくてきもちわるいね。」


海草たちはゆらゆら揺れています。
人魚が訪ねて来たばかりに汚れてしまった周辺の海を掃除するために。


魚達は仲間の死骸を見つけました。
腹の辺りを人魚に牙で食いちぎられたのでしょう。その周辺は赤く濁っています。
「まだ気付かないのか・・・・・。」
大きくて傷だらけの魚はそう洩らしました。
それを行ったのは、人魚から見てとても美しい娘でした。

人魚達は会議を開きます。
どうすれば海はきれいになるのだろう。
そのことばかり考えます。
誰かが発言します。
そうだそうだ、という声が聞こえます。
ちがうちがう、という声も聞こえます。

会議は長引きます。


いつしか海は真っ黒になりました.



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