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人魚の会議
【ファンタジー その他小説】

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人魚の会議-1

ある国がありました。
その国は、とても豊かでした。
その国は、海に面していました
その海は、とても綺麗でした。
綺麗な海には人魚が住むといわれています。
そして、その海はとても綺麗だったので人魚達が住んでいました。

しかし、近頃人魚達は悩んでいました。
最近どうも、海が汚れている気がするのです。
たしかに人間達から見れば、とても綺麗な海なのですが、人魚達から見れば今の海は少し綺麗な海といったところです。
かつての美しさは、確実にありません。

人魚達は考えました。

なぜ海は少し汚くなったんだろう。
なぜ海が汚れていってるんだろう。

人魚達は会議を開きました。
一人の人魚の若者が言いました。
「そうだ。海草のせいだ。奴らが潮の流れで、ゆらゆら揺れて体の汚れを落としているせいだ。
その垢のせいで、海が汚れているに違いない。」
なるほど、という驚きの後、
そうだ、そうだ、人魚達は口々にその意見に賛成しました。

人魚達は、海草達に抗議に出かけました。
海草達は人間達の港に近い岩場に住んでいました。
ゆらゆらと波に身をゆだね、揺られていました。
人魚達はその中の一際大きなわかめに声を掛けました。
「おい、わかめさん、あんた達のせいで海が汚れているんだ。どうしてくれるんだい?」
「ゆらゆら。何を言っているんだい?ゆらゆら」
わかめは、のんびり揺れながら答えます。
「あんた達が海で汚れを振りまいているから、海が汚れていると言ったのさ」
すると、わかめはとんでもないといった調子で、加えてのんびりと答えます。
「ゆらゆら。僕達は、海のお掃除屋さ。小さな小さな生き物や、魚達のふんなんかをこの手でつかんで綺麗にするんだ。揺れているのも掃除をするためさ。どうだい、すばらしいだろ?ゆらゆら」
人魚達はわかめたちの嘘かもしれない話に納得しました。
わかめたちは海を汚くしていない、そう思った人魚達は帰っていきました。
人魚達が帰った後、わかめたちはいつもより多めに
ゆらゆらと揺れていました。
最近どうも海が汚れています。
たしかに人間達から見れば、すこし綺麗な海なのですが、人魚達から見れば少し汚い海といったところです。

人魚達は再び考えました。

なぜ海は汚くなったんだろう。
なぜ海が汚れていってるんだろう。

人魚達は会議を開きました。
一人の人魚の美しい娘が言いました。
「わかった。魚のせいだわ。彼らが餌を求めて殺しあったり、その結果、生まれた死体をきちんと処分していないからだわ。きっと海が汚れたのは血の汚れなのよ。絶対そうよ。」
なるほど、という驚きの後、
そうだそうだ、そうよそうよ、人魚達は口々にその意見に賛成しました。

人魚達は、魚達に抗議に出かけました。


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