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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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甘い同棲生活F-5

「加奈子は、きちんと好きだって言ってくれます。だから優しいのもわかるけど……」

「ふふ。まー、見ちゃったから? 中村さんが佐藤くんのこと、めちゃくちゃ好きなの、体感しちゃってるわけで」

子供の頬にするように、つんつんと長い指先でつつく。
理央はぷくっと頬をふくらませた。

「佐久間くんと同い年だなんだもんねえ。ついつい、四十の男だってこと忘れて、こんな風に指でつついちゃうし、家に入れても無害だろうなって思っちゃう。だから、あたしより年上で、子持ちのオネーサンが、可愛がりたくなる気持ちもわかる」

木綿子はケラケラと笑った。
「あ、もちろん家に入れたことは佐久間くんには内緒で!」と木綿子はシーッのポーズをする。

「だけど、まー、怖い女よね。普通……」

ここから木綿子はぼそっと小声になる。

「いくらそういう雰囲気だからって、目の前で自分の男にいきなりフェラされたら怒り狂うでしょ。相当な器の持ち主だわ、うん」

理央はその時初めて、あの夜、そのことを謝罪した木綿子が、亨と以外そういうことをしたくなかっただろうに、と逆に加奈子に謝罪されたことを聞いた。


ーー木綿子ちゃんにされて、気持ちいい?


その質問に対して気持ちいいと答えると、素直でいいこだと誉めてくれた加奈子を思い出した。

「聖母だね」

「僕もそう思います……」

木綿子がニカッと笑った。そして、ふわふわとした理央の頭を撫でる。
頭を撫でられるその姿は、目をくりくりとさせた小さな犬のようだ。

「その聖母像を崩したいんだよね、佐藤くんは。
ーーでもそもそも、チョーゼツ常識人の中村さんを、常識からはみ出してもいいよって教えたの、佐藤くんなんでしょ。今ある聖母像って、佐藤くんが作ったものなんじゃないの。自分で作ったものを壊したいって、ひとりよがりの乱暴な欲求だと思うなあ。本当に壊れちゃったら、直らないよ」

「な、なんかすごく哲学的……」

「あら、そう? ま、とにかく、また何かあったら話くらい聞くからさ。一応あたしの方が、佐藤くんよりオネーサンだし?」

木綿子はもう一度理央の頭を撫でて立ち上がってデスクのある部屋へと戻って行った。
理央は撫でられた頭を自分で掻いて、むぅ、と口を尖らせていた。







たった一日帰らなかっただけなのに、何とも心がざわつく。
外回りからの直帰で、加奈子よりも理央のほうが、帰宅が早くなってしまった。
帰宅すると、柚木が出迎えてくれる。

「昨日、どしたの?」

思春期を迎えそうな彼が、血の繋がりのない理央にこんなに温かくしてくれることが、今は嬉しかった。

「遠月さんと遊んでたよ」

「そっか。一緒な布団、入ってないよね?」

「えっ?」

思わず聞き返してしまう。

「僕と初めて会った時、お母さんと一緒に寝ていいのは結婚してる人だけだよって言ったの、佐藤くんだよ。じゃあ木綿子ちゃんと一緒に寝ていいのも、結婚してないけど、亨くんだけだよね」

眉をひそめて、悲しそうな顔をして柚木が言う。

ーーああ。もう、このことは自分だけの問題ではないのだ。
自分の言った言葉が、一年経って自分に返ってくるとは思いもよらかなかった。
あのときは、自分の性欲を抑えるために言った言葉だったがーー


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