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人妻奈岐
【熟女/人妻 官能小説】

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職場-1

 奈岐は大学を卒業して、お堅いと言われる商社に就職した。仕事は忙しく入社四年目くらいからは率先してする仕事が増え、三十歳を過ぎて任される仕事が増えたのにはそれまでにないやる気が芽生えて、そのためかえってものすごい忙しさになったことがあった。一度残業の連続が過ぎて、入社十年目に一週間ほど入院して寝込んだことが有る。
 その時、病後に質の悪い肌荒れが出てきたことがあり、やはり体調に十分に注意しないと美容に良くない影響が出るし、生理の調子も悪くなるものだということが身に沁みてわかった。
 それからはかえって食べるものや運動にも気を付けるようになり、一年ほどするうちにお肌の調子が上がって来ているのを感じるようになった。職場では、いつもあっけらかんとして仲の良い後輩の早智子が、
「奈岐さん、最近きれいになりましたねえ」
と言ってくれるようになった。
 仕事の方もそうやって自分をコントロールすることができるようになってから、上手く回るようになったと思う。主任や課長と一緒の外回りしたときなども的確な助言や取引先への配慮や気付きなども素直にタイミングよく出来ることが増えていった。
 
 その頃からだろう、男たちの何人かの奈岐を見る目が少しづつ変わってきたのは。
奈岐が入社早々に結婚したのは周知のことで、入社早々は奈岐に狙いを定めていた独身男も何人かいたにはいたが、職場に結婚のことがわかって以来そういう目で見る男はこれは当たり前のことだがいなくなっていた。
しかし、奈岐が結婚後も子供ができるでもなく、もちろん離婚するでもなく、人妻として会社に勤め続けていることに変わりはなくとも、最近になって周りへのコンタクトに余裕が生まれて、ふわっと優しい雰囲気がでてきたことにふと皆が気付き始めていた。
そういうことがいわば男から見れば、俗な言い方だが“そそられる”という感情を催すのは自然なことだった。
奈岐より六年ほど後輩の、隣の職場にいる田中という慶應ボーイがタイミングをはかったように奈岐の身の上を訊いてくるようになったのもその頃である。居室のパントリーにコーヒーをいれにいったとき、たまたま田中が後から来て、
「今日は寒いですね、こういう寒い日は鍋なんかつついて美味しい日本酒でって、思っちゃいますね」
「そうね、今度皆で行こうからしらね。」
「えっ!、奈岐さん!、もし僕が何人か人を集めて誘ったら、来てくれますか?」
「あっ、、、、、どうしようかなあ、、、、早智子さんと一緒ならいいかも」
 奈岐は不意を突かれた感じだったけれど、やむを得ないとまでは思わなかった。たまには若い人と飲むのも悪くないか、と思い直して後輩の早智子をだしに使ってそう答えた。
 早速二三日後、田中が廊下を歩いている奈岐を捕まえて、
「あのお、奈岐さん、この間の鍋飲み会の件ですけど、、、、」
「あっ、そんなこと話したわね」
「ええ、早智子さんには了解をもらいました。で、僕の同期の安田と奈岐さんと早智子さんで今度の金曜日に鍋に行きませんか?」
「ええー、手回し早いのね、田中君。どうしようかなあ、、、、」
「金曜日はなにか用事があるんですか?もし都合がつくようなら是非お願いしたいなあ、ぼく。最近、ぼく結婚についてちゃんと考えなきゃいけないって思い始めてまして。結婚生活についても先輩の奈岐さんに是非心構えなんか教えてもらいたいって思ってるんです。だから、もし都合が開いてるなら是非お願いします!早智子さんも安田も是非行きたいって言ってるんで」
一気に田中はまくし立てた。
「うーん、、、、、わかった、そしたらその話、のるわ」
「ありがとうございます!、ああー嬉しいな、、、、、
奈岐さん、どんな鍋が好きですか?」
「うん、もつ鍋なんか食べたいな」
「わかりました、美味しいもつ鍋屋さん予約しときます。メールで連絡入れときますんで見てくださいね」


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