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月灯り
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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行為の終わり-1

 舌先に感じた苦味は徐々にだが口中に広がって行くが、塊らしき物は、いつまで待っても口に入っては来なかった。しかも、その苦味に、恐ろしい吐き気があるものと思っていたのに、それほどのこともなかった。喘いでいるのは、妻の中に入っている男であり、そして、妻だった。妻の蕾は何度となく中の物を押し出そうと試みているらしく、肉襞が出たり、入ったりを繰り返していた。その行為と、そして、ときどき聞こえてくる妻の吐息が、彼女の苦痛を物語っていた。苦しいのは私ではなく、妻であり、そして、我慢の限界にある男だったのだ。
 たった今、果てたばかりだというのに、年齢にしては、ずいぶんと元気の良い男は、再度の射精を我慢出来ないのか、呻くだけでなく「無理です」とか「お許しください」とか「すいません、不甲斐ないです」などと叫びはじめた。
 ついに、私の舌が妻の中の固形物に触れた。蕾は広がり、舌が奥に入り、そして、確かに皮膚とは別の物に舌が触れたのだ。舌先にそれは触れていたが、想像していたような味覚はなかった。むしろ、ツルツルとして陶器のような物を舐めているという印象だった。これなら飲み込むことは厄介でない、と、そう思い、そのことに少しがっかりしている自分に、私は驚いていた。
 いよいよ、私は人間として最低の行為に挑むのだ、と、安居酒屋の珍味ほどにも食べ難くなさそうな物を舌先に感じながら、しかし、その心理的興奮は頂点を迎えつつあったのだが、それが私の口に入る前に「ああ」という情けない声を上げながら、どうやら男が先に果ててしまったようなのだ。そして、それを合図にしたわけでもないのだろうに、舌先に触れていた妻の固形物は、するりっと引っ込んでしまったようだった。舌を伸ばしても届かない。それどころか、蕾は固く閉ざされ、そして、どうやら妻も果ててしまったようだった。
 私は一人、取り残された。
「ほ、本当に申し訳けありません。肝心なところで、しかも、いい年齢だというのに、情けないかぎりです。でも、信じてください。私、射精だって、最近はほとんどしていないし、こんな短時間に二度も射精したのは、もう、何十年ぶりのことなんです」
「気にすることはありません。むしろ、そこまで興奮してもらえれば、妻も嬉しいことでしょう」
 妻はさすがに、いつも私にするように、男の上に身体を預けることを、ためらったのか、男の横に身体を倒した。仕方ないので、私も、妻の横に身体を入れ、その小さな頭の下に腕をねじ込み、ねじ込んだ、その右手で、妻の頭を撫でた。
「自分で出した物は、自分で処理しましょうか。ただし、もう、妻も体力は限界でしょうから、ゆっくりと、ね。本当の掃除ですよ。もう一度、妻を感じさせたいなんて強欲は抱かないでくださいね。いい年齢なんだから、分かりますよね」
「はい。ありがとうございます。掃除させていただきます」
 そう言って男は妻の股間に顔を埋めた。自分の出した物を舐めとるという行為は私には屈辱的なことだったが、男にはそれを気にする様子はないようだった。不思議なものだ、私は排泄物よりも、自分の精液のほうが口にするのが嫌なのに、男はその逆のようなのだから。
「こんなに幸せでいいのかしら」
 妻が私の腕の中で呟いた。自分のそれが少し少し、その力を失って行くのを私は感じていた。しかし、私だけが取り残されたということに、男はもちろん、妻さえ気づいていないようなので、私は、それを隠したまま、今回の行為を終えることを密かに一人で決めていた。


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