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イブ 茨人形
【ファンタジー 官能小説】

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イブ 茨人形-12

卿はこっちへ戻ってくると、抱きつきました。
「やめさせて」
「ああ、あんなの、もうどうでもいい」わたしに肌をすりつけ、茨に押し付けます。「痛いか」
ヌルリと卿のものが入ってきます。
この男がわかりました。お人形さん遊びなのです。お人形で好き勝手遊んで、飽きたら捨てる。それだけのことなのです。
一物を突き上げるたびに茨のトゲが刺さり、皮膚をひっかきます。
私は悲鳴を上げ続けました。
卿はかまわず突き動かし「このお人形さんは良いぞ」と、力をこめました。
「お前は耐えるんだよ、あれは気を失いながらも半日耐えた。おまえはもっと耐えるんだよ」
≪痛い≫、我慢の限界は越えていました。「フールー」 助けを呼びます。
『ほう、何をからまっている』
『痛い いたい‥』 痛くて喋れません。魔との会話は口ではありません。でも、心の中にあるのも痛みだけでした。
≪しょうがないやつだ。痛みを取ってやる≫
気がついた時、痛みは消えていました。トゲの刺さる背中も尻も腕も痛くありません。胸も性器も感覚がなくなっていました。
フールーは見返りを聞きませんでした。それを聞きただす気力もありません。
痛みの余韻に耐えるだけでも体力を使いました。
気が付くと水の音。
「おい おい、はしたないお人形だ」 卿は少し離れると、私が失禁したことを面白そうに見ていました。
私にはその感覚もありませんでした。
『フールー、何をしたの』 やっと聞く余裕ができました。
『痛みを止めてやったのさ』
『まさか、これからずっとこうなの。感覚を返して、私を逃がして』
『むりだ』 魔は笑うだけでした。『感覚はなくとも、力はあるだろう、自分で動かしてみるんだな』
しかし、腕をはがそうとしても、痛みがなくてもトゲが肉に食い込んでいて、はがすだけの力が出ません。
『他に用事はないのか』
『隣のメイドさんを助けて』この人は、どんな捨て方をされるかわかりません。
『お前のせいであんなになったのだな。ひどい女だ』卿と同じようなことを言って責めます。
『目をあげる』少し前ならこんな馬鹿なことを言うことはなかったでしょう。
でも、張り付けられて分かりました。こんな体があるせいで痛めつけられるのです。
彼女のしようとしたことは、私の体を犠牲にする代わりに、心を守ってくれようとしたのです。
でもそのせいであの人まで死ぬよりつらい目にあっているのでした。
私には目と口と片耳しか残っていません。
フールーは何もしません。
『私はおまえの面倒しか見ないよ。それにおまえにはこの悲惨な姿をしっかり見て、楽しんでもらわねばな』
『あんな人も、こんな自分も見たくない、知りたくない』
『何も感じないような、吊り下げたハムでは困るのだよ』
『そうだあの女と交換だ。あれの感覚を全てくれるなら、代わりにお前の感覚をすべて戻してやるぞ』
『本当』一瞬迷います。
『是とするだけでよい』
≪元に戻れる。あの人は助けようとしてくれた。どうせ助からないのなら何が悪いの≫ 『でも私は、ここから救い出してくれるのでしょうね』
『それにはまた貢ぎ物が必要だな』
『ひどい、たすけてくれないなら消えて』 消えました。
迷った自分が恥ずかしくなります。
「おまえは素晴らしい。ヒステリーも起こさんし、気も失なわん。ずっと飼ってやるぞ」シダ卿の声に現実に戻ります。
シダ卿が体に何かしているようでした。感覚がないのでわかりません。
顔の前で「まだまだ死ぬんじゃないよ」と、ほほ笑んでいます。また、何本もの薔薇のトゲが体の中で折れていることでしょう。
卿が上下しています。しばらく何かわかりませんでした。
≪ああ、そうか。私はもう一度この男に犯されているんだ。そうされながら、死ぬのかな≫ 意識が薄くなっていきます。
「ほらほらしっかりしろ」
「フール‥」 ≪いえ、呼べない≫ フールーのすることはあのメイドとは違います。
私は体を犠牲した上に、心まで犯されていくのです。


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