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『とある普通の恋人達』
【女性向け 官能小説】

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『もっと、とある普通な恋人達;後編』-1

明香は淳史の手をよりいっそう強く自分の胸に押し当て、揉むように上から動かした。
「あっく…セックスして。」
「え…?」
「…お願い。あっく。」
明香は俯いたまま呟くように言った。
「明香…?…どうして…」

さっき深尾に傷つけられて、明香が何を考えているのかが、淳史は全くわからなかった。
同じ様に、明香にすら自分がどうして淳史にセックスがしたいと口にしたのかわからなかった。

淳史は自分の手を明香の胸に押し付けていた明香の手を優しく戻し、カットソーをまくり上げ、再び明香の胸をブラの上から優しく揉みはじめた。
「ぁぁンッ…んんっ…ぁンっ」
ブラジャー越しに明香の乳首が固くなっていくのがわかる。
淳史は明香の背中に手をまわし、ブラジャーのホックを外し、胸の膨らみをじかに揉みしだいた。
固くなった乳首を摘み上げ、口に含み、甘噛みする。
「ぁ…あぁッ!ンン…ゥン…ィャッんんッ」
明香はビクッと体を震わせ、乳首を舐めていた淳史の頭を自分に押し付けていた。

明香はいつもはおぼこく、恥ずかしがりで自分から官能的な行動をすることは殆ど無かった。
いつもと違う明香に、淳史は不安を抑え切れない。

「明香…まさか…さっき深尾に無理矢理セックスされた…とか…?」
明香の顔を覗き込む様に直視して聞いた。
ふるふると首を横に振り、明香は独り言の様に、呟くように言った。
「キス…されて、おっぱい…触られ…たの…だから…怖かった…から…」
そう言うと明香の目からまた大粒の涙がポタポタと流れ、シーツに落ちた。
「うぅっ…あっくに…ひっく…ちゃん…と全…部を…ひっく…清め直して…ほし…ッ」
明香がそこまで言うと、淳史は明香をぎゅうーっと強く抱き締め、「相当ショックだったんだな…可哀相に…」
と言って、明香をゆっくりと仰向けに寝かせた。
明香の上から覆いかぶさる様な体勢になりながら、淳史は明香の顔の両わきに手を置き、明香の涙を自分のカットソーのロングスリーブの袖で拭いた。

「…あ…っく…?」
仰向けの体勢で、明香が淳史を見上げると、淳史は薄く涙を浮かべていた。
「守ってやれなくて、ホントごめん。」
淳史は手の甲を口にあてて、横を向いて涙を隠した。
「あっくは来てくれた。今日も守ってくれたし、今までも守ってくれてた。」
純粋で泣き虫な二人は、お互いの存在を改めて大事に感じながら、わんわん泣いた。


気が済むまで泣き終わると、二人とも瞼を腫らせながら、クスクスと笑った。
「明香、マスカラが取れて目がパンダだよっ!」
「あっくこそ、目が赤く腫れてお化粧してるみたい!」
二人はいつもの様に笑った。

「あっく、シャワー借りていい?」
「うん。そろそろお湯も溜まっただろうし、入って来なよ……あ……」
「ん?」
「一緒に入るか。」
明香は淳史の提案にパンダ目を真ん丸くして、直ぐさま拒否した。
「やだっ!そんなハレンチな!!やだやだやだ!絶対イヤッ!」
「何でイヤだよ。だって明香は俺に清め直して欲しいんだろ?」
ニヤつく淳史を迫力ないパンダ目で睨んで明香は膨れた。
淳史と明香はもう24にもなるし、付き合って何年も経つが、「一緒にお風呂」みたいな破廉恥な事は、今まで明香が嫌がった為しなかったのだ。


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