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月灯り
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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オイルマッサージ-1

 一度、腰に巻いたバスタオルを、少し考えてから外し、それをバスタブ横に置いた。今さら、アソコを隠して歩くのも不自然な気がしたからだ。実際、青年も全裸のまま、それをブラブラとさせて部屋に向かって行った。それに、今、腰に巻いたのはホテルの用意したバスタオルだが、妻は、家にあるだけのタオルを持ち込んでいた。タオルは使い放題にしたほうが贅沢でいい、と、妻はそう言ったのだ。そして、私も、その通りだと思った。そして、それなら、やはり、濡れたタオルは放置し、全裸で出て行けばいいだろう、と、そう思ったのだ。
 青年のそれは私との入浴で萎えていたというのに、彼より、はるかに年長であるところの私のそれは、まだ、隆起したままだった。それを最初に見つけた妻は「まあ、元気、アナタ、どうしちゃったの」と、声を上げた。調度キッチンから戻った彼は、さすがにエプロンをしていたがその下は全裸のようだった。全裸にエプロンというのは男にもあるのだな、と、私は思った。
「今、興奮しているのってMの旦那さんだけですよ」
「でも、少しは休まないと、もう、いい年齢なんですから」
「そうですね。オイルマッサージ中は、見てるだけにしてもらえますか」
「こちらの椅子にどうぞ。少し奥さんとは離れますが」
「ボクたちが邪魔で奥さんが何されているか見えないかも」
「でも、奥さんの許しがあるまで、椅子から離れてはダメですよ」
 最後にそう言った料理人だと言う男は私の座る一人掛けのソファーの横の小さなテーブルにコーヒーと、一口サイズの小さなオードブルの並んだ皿を置いてくれた。どれも、手で取って食べられるように工夫されている。ただのサンドイッチかと思ったのだが、焼いたバケットに肉とチーズが載せられていたり、と、かなり凝ったオードブルだった。ベッドサイドの棚にも同じ物が並べられている。そちらにはカットしたフルーツも載せられていた。
「じゃあ、まずは、奥さんはベッドの上に座っちゃってください」
 オイルを用意していた青年がそう言うと、妻は、少し戸惑った様子を見せた。整体マッサージではないのだから、当然、寝たところから、はじめるのだろう、と、私も思っていた。おそらく妻もそう思ったのだろう。
「いいんです、これで」
 そう言いながら青年は手に取ったオイルを妻の肩と首に塗りはじめた。同時に、もう一人が妻の前に仁王立ちして、その大きなモノを妻の前で、ゆっくりと、しごきはじめた。次の瞬間、料理人だと言う男が妻の口に肉の載ったバケットを押し込んだ。そして、そのまま耳元で何か囁いた。それは聞こえなかったのだが、何を囁いたのかは、妻の前でモノを見せつける青年の言葉で、およその想像がついた。
「そうなんですよ。咀嚼している女性というのは、ものすごくエッチなんですよ。ほら、だから、こんなになってしまっているんですよ」
 肩から首筋をマッサージしていた男はそのまま全裸の胸を妻の背に押し付けるようにして密着した。もう、彼にはマッサージは出来ない。すると、仁王立ちしていた青年は自らの両手にオイルをたっぷりとつけて、妻の胸をマッサージしはじめた。妻は口を開きたいのだろうが、口の中に食べ物を入れられてしまってそれが出来ず苦しそうにしていた。その原因を作った青年は、まだ、妻の耳に自分の唇をつけたままだ。囁いているのではない、舐めているのだ。
 妻が口の中の物を咀嚼し、それを飲み込む様子が私の位置からも、はっきりと分かった。それを待っていたように妻に密着していた青年が後ろから妻の唇を求めた。そして、そのまま妻の身体を倒して行った。倒しながら、自分はするりと妻の横に身体を逃がし、そのまま、今度は妻の左腕のマッサージに入る。それに呼応するように前にいた男は右腕のマッサージに入り、その二人の動きに合わせるように耳の愛撫を執拗にしていた青年が、今度は仰向けになった妻の太股あたりにオイルを塗りはじめた。
 見事な連携だった。しかし、そこまでの打ち合わせをする時間は彼らにはなかったはずなので、おそらく、彼らは、ただ、成り行きでそれをしていたのだろう。いや、打ち合わせて、その行為をしたのでは、女性というものは興奮出来ないのかもしれない。してもらっているのではなく、彼らがしたいことをしている、と、そう思いたい女心というものがあるのに違いないのだから。


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