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月灯り
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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交代-1

「いや、ダメだ」
 私は自分に語り掛けた。しかし、それは音になって漏れていたので、男は自分のしようとしていることを禁じられたのかと勘違いして、まるで叱られた子犬のような目で下から私を見つめた。男がしようとしていたのは、私と妻の結合する部分に舌を伸ばそうとしていたことだった。もちろん、それを制したのだが、しかし、それは男の行為を禁じたのではなかった。
「バイブはバイブらしく、妻のアソコを満足させなさい」
 そう言って私は妻から離れ、男に、私とまっことたく同じ姿勢で妻を後ろから貫くことようにと要求した。そして、私は行為としては、もっとも惨めなM男のようなのに、まるで中世ヨーロッパの貴族が優雅にチェスの席にでも座るように、先ほどまで男のいた場所にと移動して、そこに、しゃがみ込んだ。
 目の前には、すでにいろいろな液体によって濡れ過ぎて、男の巨大過ぎるそれの挿入に、少しの困難さもなくなっていると思われるところの妻のそれと、まさに、今、その年齢にしては小さ目な亀裂を割り裂かんとする男のそれがあった。私は、自らの手で男のそれを持ち、そして、その先端を妻の敏感な突起に持って行ったのだが、男の先端は残念なことに乾いていた。
 私は自分の先端が興奮している間中、終始濡れていることから、男は誰でもそうだと思っていたのだが、それは違うのだということを、その時、はじめて知った。仕方なく、いや、その言葉は違う、おそらく、はじめから、私はそれがしたかったのだと思う、私は、妻の敏感なところに舌を付け、男の巨大なそれの先端と交互に舐めた。
「そ、そんなことを」
 と、驚いて声を上げたのは妻ではなく男だった。M男には、かえって辛い行為となり、そこが萎えてしまうのではないかと心配したが、そんなことはなかった。私が右手の親指と人差し指でそれを妻の中に導いてさえ、男の興奮は萎える様子を見せなかった。
「お、大きい」
 あの青年のそれだって十分に大きかったはずなのに、あの時には、妻は苦痛など訴えなかった。ところが、その時ばかりは、快楽ではなく、苦痛に声を漏らしたのだ。ここで男が強引にその巨大なもので、これ見よがしに妻を貫いてしまえば、むしろ、妻は、あまりの苦痛に醒めていたかもしれないのだが、そこは、さすがはM男だけあって、全てのリードを私に委ねていた。私は一度、先端だけが入った男のそれを抜いた。
 そして、私は、妻の入り口をていねいに、そして、じっくりと舐め、男のそれで擦り、ときどき、敏感な突起を男の先端と交互に舐めたりしていた。執拗に時間をかけたからだろうか、妻から「もう、入れて欲しい」と、言葉が漏れた。
「この太いのを入れて欲しいんだね。さっきは大き過ぎて痛いような態度だったじゃないか」
「痛くてもいいの。痛いほうがいいの。お願い、アナタ」
「仕方ない。じゃあ、この凶悪なほど大きなバイブを入れてあげようね」
 あえて、それをバイブと言った。妻のためではない、そう言われることで男の気が少しは楽になるかと思ったのだ。男として妻を犯すのではない、バイブとして妻と私に利用されるのだ、と、そう思うほうが男は興奮するだろう、と、そう私は思ったのだ。そして、そうして興奮させておかなければ、私が本当にしたいことが出来ない、と、そうも思ったのである。


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