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パンドラの箱
【ファンタジー 官能小説】

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パンドラの箱-10

「お金は取ってないよ、僕たち泥棒じゃないし」もやしっ子だけがすまなそうです。
「今日君がきちんと入会をしてくれていたら、こんなこともしなくて良かったんだ」シンは恨めしそうに太っちょをにらんでいます。
「もう帰して。黙っているから返して」
服を着る間も太っちょは私の尻を叩いて笑い、胸を触りました。
「やめろ、手をどけろよ」シンがうなります。
「うるせえな、ちょっと話するだけだ」私を引っ張ってみんなから離れさせます。
小さく、「同じ時間で、前の日におれのとこに来るんだぞ」それから大きな声で、「誰かに告げ口したり、来なかったりしたら。俺、学校のみんなとおまえのビデオを見ちゃうからな」
泣きべそをかきそうになりながらビルを出ると、そこまでついてきたシンが、「五日後だ。橋で待っていろよ、二人だけで話をしよう。」腰に手を回してキスをしてきます。
私は固く口を閉じていました。
「あの太っちょはいや」
「ああ、何とかしようぜ、呪い殺してやるか。今度からはおれだけにするんだ」 お尻に伸びた手は股に入り込みます。
「おまえは俺だけに感じていればいいんだ」
思わず声を出します。
「それだ。いい子だな。ずっとその声を出すんだぞ。あいつ、ぶっ殺してやる」
私は何もできなかっただけではありません。将来もない嫌悪感に、吐きそうになります。
一週間後か、六日後か、五日後か。それとも行かないのか。
撮られた映像をどうされるか考えると、最悪です。
助けてくれない神、襲われて感じている女。どちらも最悪です。
≪悪魔と契約して何が悪い。こんな女はくれてやったほうがいいのかもしれない≫ でもあいつらのは遊びです。悪魔なんていません。
でも、本物との契約は身を破滅させることです。じいちゃんから教えられていました。それなら死んだほうがましなのです。≪それなら私が悪魔になればいい≫
家に帰ると本を漁りました。じいちゃんの家には驚くほど古い本もあります。その中に、光り輝く本を見つけました。ページをめくると、ある図形を見つけました。
あと三日しかない。その図形を持ってタトゥーの彫師の所へ行きました。この人は母さんの姉弟子の人から聞いたことのあるウイッチでした。
「本当にこれを彫るのか」彫師が尋ねます。「おまえの師匠は知っているのか」
「私の身体のことは私が管理する。いくら師匠でも私が女でないといけないなんて決められない」
「体に彫ると、もう取れないんだぞ」
「わかってるわ。お金が足りないのなら、まだ女のうちに私を抱いてみる?」
「確かにいい体だ。男ならほっときたくないだろうな」
「だから嫌なの、この体のせいで私は私を否定されるの。救ってくれるなら、いいのよ。どうせ汚された体だから」
「そんなことをして、おまえの師匠とやり合いたくはない。本当は違うだろう、君は自分を大切にしたいから、これを彫りたいんだろう」
それならと、彫師は私の下腹部にその図形を彫りました。
「ここにキスしたくない?」覆いかぶさるように、そこに針を突き立て、インクを刷り込む男に腰を近づけました。
「それとも入れてみたい?」たじろぐ男を見て笑いました。
「そんなことを試さなくても君の中の女は消えるんだ」
私はもっと笑いました。笑いすぎて涙が出ます。

次の朝、私は高熱で起きられませんでした。次の日も、その次の日も。
その日の夕方は来いと言われている日です。行かなかったらひどい目にあいます。仕方なく全てをじいちゃんに話しました。


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