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秘密の夏。それを恋と呼ぶなら。(イラストつき)
【OL/お姉さん 官能小説】

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君の味がする(イラストあり)-1



 その日を境に、覗いている僕を彼女が呼ぶようになった。こちらを見もしないのに、ドアの影に隠れている僕の存在に気づくのだ。読書をしているときや机に向かって勉強しているとき、庭を窓から眺めているときには呼ばれない。僕を呼ぶのはいつも決まっていた。

「こっちへ来て。光輝くん」

 呼ばれた僕は、いつもの位置に、椅子に腰掛けている彼女の斜め前、そこが僕の定位置だった。そこに立って彼女を見つめる。彼女の手が膝の上まで、太もものあたりまでスカートをたくし上げ、内ももへ滑り込むのを見る。そんな僕を、手をゆっくり動かしながら彼女が見つめる。胸に触り、スカートの奥の腿の中心を触り、はぁっ、と、かすかなため息をつく。秘密の遊戯の終わりにはいつも

「内緒だから。誰にも言ってはだめ」

 僕の目を見つめながらささやいた。

 でもある日、変化が訪れた。定位置で立ち尽くす僕の腕を捉え、彼女がこう言ったのだ。

「わたしの横へ来て。持っと近くに、光輝くん。そこにひざまづいて」

 斜め前なのは同じだったが、彼女の体に、あらわな白い足のすぐ横に、言われたとおりに、臙脂色の絨毯が敷かれた床に両膝をついた。

 彼女の少し冷たい手が僕の手首を軽く掴んだ。そのまま、その手を自分の太もものあいだに。僕の手のひらにすべすべした肌の感触が伝わってきた。やがて僕の指が…指先が何かに触れた。柔らかくて、ヌルッとしている。温かい。

 そこに指が触れた瞬間、僕は殴られたように愕然とした。彼女は下着をつけていなかった。スカートの下は…だから…。

「見てはだめ。見ないで、光輝くん。触るだけだよ」

 うんうんと馬鹿みたいにうなずいた。彼女の手が僕の手をそこに押し付ける。ヌルヌルして柔らかで、思わず、そこを指で撫でた。

「はあっ…」

 僕と目を合わせたまま、彼女が甘い息を吐く。

「もっと触っていいよ。もっと」

 夢中で撫で回していたらもっとヌルついてきて、撫でている指も、手のひらまでその感触が広がった。僕の手はヌルヌルしたものがべっとり付いていた。

「ねえ。指を、中に入れてみて」
 
 甘い声でそう言われても、子どもだから意味がわからない。保健体育の授業で女の子の体の仕組みは習った。でも授業で習ったことなんかすべて頭から飛んでしまっていたし、実際に現実の女の子にそれを置き換えるなんて無理だ。無理に決まってる。っていうか、何だかわけわからない状態で、引っ越した先の、初めて会った年上の綺麗な、いとこであるお姉さんの、大事なところを自分の指が触っているなんて、僕の理解を遥かに超えていた。

 もう少し、下よ。
 もうちょっと上。
 もう少し。
 あっ。そこ。

 促されるままに、ヌルヌルになったそこを撫で回していた僕の指が、急にずぷっと沈んだ。さっきまでと比べ物にならないほどにヌルヌルに濡れた狭い穴のような感触がした。温かくて少しの隙間もない。指が沈んだ瞬間

「は…うっ」

 彼女が小さくうめいた。長いまつ毛を伏せ、でもすぐにまた僕を見つめる。

「指を、動かしてみて」

 指から伝わってくる感触がたまらない。蠢いている。言われずとも勝手に指が動く。奥に入れ、引っ込め、また、ずぶっと奥まで。するとまた彼女の唇から甘い息が漏れてくる。

「うっ、くぅっ」

 そのあえぎと共に狭い穴がぎゅうと締まった。入れた指が締め付けられる。抜そう抜けない。なめらかな太ももが僕の手を挟み込んでくる。温かですべすべしている。ビクッビクッと震え、しばらくそのままで急に力が緩んだ。

 僕の手を押し付けていた力も緩み、やがて彼女によって太ももの奥から引っ張り出された。

 べっとり濡れて光る僕の手。

「舐めてみて」
「えっ」
「その指を舐めて。光輝くん」

 舐めるって…そんなことをしていいのかな。

 濡れ光る指を顔に近づける。匂いがした。初めて嗅ぐ匂いだ。

「舐めてみて」

 彼女がささやく。僕を見つめている。彼女の中に入れた指を、舌を出してちょっと舐めてみる。塩っぱいような。なんだかわからない。

「もっと舐めて。指をしゃぶってみて」

 言われるままに、指を口の中に入れてしゃぶっってみる。ああ…そんなことをしている自分に興奮してお腹の底がずんと重くなった。股間は痺れたように感覚が無い。

「どんな味がする?」
 
 それは…それは。

「沙耶さんの…味がする」

 すると…彼女が笑った。そう。初めて笑ってくれた。そして。

「光輝くんのエッチ」

 また笑った。僕を見つめたまま。大きな、濡れた瞳で。


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