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カルト教団
【ファンタジー 官能小説】

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カルト教-14

「皆やめなさい、この女は悪くない」私は前に出た。
私を味方するものは少ない、それでも私のために動いてくれたカザミをほっておけなかった。
「見よ、教祖様でさえ囚われてしまう、最近の教祖様がおかしいのを知っているでしょう、この女に取り込まれていたとは恐ろしい」
「やめろ」
「我々は教祖様に救われてきました。教祖様でさえ、時として我々と同じ苦しみにさいなまれるのです。さあ、皆でお救いするのです」
ドウツに頭に腕を巻きつけられ、抱かれた。 服にかくれて、口を押さえられていた。
「我々の愛の力が試されている。 愛の力でこの女から悪魔を追い出すのです」ドウツが歌うように言う。
「皆、愛を持って、力の限りこの女を打て。順に女の前に出よ。暴力ではない。女の中の悪魔を駆逐するのです」青色の長衣をなびかせてドウツが叫ぶ。
信者のひとりが前に出て、カザミを平手打ちする音が響いた。
次の信者がこぶしで殴る。
≪まずい、カザミが殺される≫
礼拝堂に声が響いた。「おお、主よ。輝く光の中に立つ教祖さま」あの魔女だった。
「あなた方は何を信じるのです。教祖の言葉ですか、自分の中の神の言葉ですか。神はこんな行いを望まれているのですか」
「救けにきたな、ほっておけないと思ったよ」ドウツがささやく。
≪そういう事か、あいつをあぶり出すためだったのか≫ 私には思いつかなかった。だが、思いついたとしても、こんなまねはしない。カザミは床に倒れ、失神したように見えた。
「その光は黒く揺らめく
体は従属を求め
心は支配を求める 」
「教祖、何をしている、みなは反撃を待っていますよ」ドウツがささやいた。
尻拭いをするのは私か。「なぜそんなに敵意を向ける」≪愛し合った女よ≫、魔女に問いかけた。
魔女は何かが憑依したように、白い長衣をなびかせて舞う。
「敵対する必要はないのだ」語り掛ける。そう、≪抱き合いたい。今度は癒されたい≫
この女のものは忘れられない、吸い付かれた感触がいまだに股間に残っている。≪何を怒っているんだ。閉じこめた事か≫
魔女は賛美歌に合わせて舞いながら叫んだ。 悪魔の踊りだ。
「めしいた信者よ
闇を広げ
悲しみを広げる良心なき者よ
教祖と同じ道を堕ちるのか
立ち去れ
恐れるな
傷の小さいうちに家族や友達、隣人の愛に癒されよ 」
だれも動かない。信者同士周りの様子をうかがっているだけだ。
「教祖様、奇跡を出す時だぞ。あいつをやらなければ教団はつぶれる」ドウツがささやく。
「だが、あの女はまずい」
「我々にはいろいろあったが、共通するものもあった。教団を脅かすものは敵だろ。おまえは信者を保護しないのか」
私は慌てて呪文を唱えた。
「呪われし魔の女よ
腐りはて朽ちはてよ
滅べ」
手をあげて魔女を指す。
「この悪魔の最後を見よ。悪魔はわが力によって腐れ果てるのだ」
待つが、変わりがない。
この女には呪いを刷り込んだはずだ。この祈りで皮がただれ、死ぬはずだった。
あわてて、もう一度唱えるが、同じだった。
「あら。むりだよ、あんたの呪いなんか水より薄い、何も変わらないの」魔女がせせら笑う。


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