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[姦獣共の戯れ]
【鬼畜 官能小説】

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飛んで火に入る……-7



鈴木だけが事務室を出ていき、他の三人は残ったまま。
いちおう椅子からは立ち上がっているものの、意識は退室には向いていない……。


『すみません。アイツ帰ってきたら一緒に消えますんで』


柔らかな笑みを返す風花の《同類》に、三人の眼差しがチラチラと刺さる。


(井形弘恵…か……けっこう凛々しい顔してるぜえ)

(明日香にゃ負けるが脚も長いなあ。それにめちゃめちゃスレンダーな身体してやがる)

(ケツにもうちょい肉がついてりゃあなあ……まあ、華奢なメスが好きなお客様もいるだろうし)


報道記者がココ≠ノ来たという事は、拉致に使ってきた箱バンが盗難車両だと読んでの行動なのは間違いない。
そしてこの工場を不審に思い、探りを入れようとしているのも、簡単に推測できる。
つまりは《敵》である。


『……ちょっと失礼。取引先からメールが……』


山田はスマホを取り出し、画面を見た。
そこには鈴木からのLINEが届いており、危険な報道記者の《排除》を伝えてきていた。


『井形さん…ですよね?いま工場で部品取りの作業をしてるんで、何なら見学してみませんか?』

「……え?作業のお邪魔になりません?」


邪魔なのはオマエの方だ。
もしも取材をして「怪しい」と勘づいたなら、間違いなく隠れて張り込みをするだろう。
そうなれば車両窃盗は行えず、なんとなれば警察のガサ入れが始まってしまう危険性すらあるのだ。


『記事とか書くんなら、工場の様子とか自分の目で見てみた方がイイんじゃないですか?[百聞は一見にしかず]ですよ』


弘恵は迷っていた。

初めて来た工場で、その中に一人だけで入るのは危険ではないか…と。
だが、この誘いを断って帰ったりしたなら、何のために此処に来たのか分からない。
第一、記者の職務を考えたら、ここで引き下がる訳にはいかない。


『ああ、作業見学って言っても、シャッターの外から眺めるだけですよ?安全には気をつけてるけど、やっぱり危ないですから』


安堵させる言葉に、弘恵の緊張は解けた。
外からの離れた位置での見学に、なんの危険≠ェあろうか。


「それなら少しだけ見させていただきます。今まで見た事無かったので……」


警戒した自分が可笑しく感じられた弘恵は、山田の招きに従って後からついていった。
スクラップ車の周りには雑草が生え、その緑の絨毯はすぐ側の雑木林に続いている。
思った以上に辺鄙な場所だ。


「あの……さっきの三人は事務室に残してていいんですか?」

『馴染みの客だからね。それにあの事務室には盗るようなモノも無いんで』


チラリと弘恵は振り返って見たが、あの男達の姿は見えない。
この山田という男の仲間などではなく、単なる客として来ていただけのようだ。


「そう言えば、あの事務室の前に止まってた車、年式のわりにナンバープレートが綺麗でしたよね?新しく車検を取られたんですか?」

『……商用車は一年車検ですからね。車検切れで安くなったのを売ったんですよ』


いつも天ぷら≠つけているのだから、ナンバープレートが新しいのは当たり前だ。
それにしてもあんな些細な事まで気づく見事な観察眼を持っているとは、やはり今《消して》しまうしかない……。


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