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ロスト・マイ
【ファンタジー 官能小説】

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ロスト・マイ-6

そのときにはもうクロはベースを片付けている最中でした。見られずにすんだかもしれません。
ケースの中から。チケットを取り出しました。「これどうだい、行かないか」
コンサートのチケットでした。出演しているのは知らない人でした。
「知り合いのバンドなんだ。『売れ残りだろ』と言って買い叩いてやった。行く?」
「うん、行く」もうチケット代は、なんてことは言いません。そんなこと言ったら逆に怒られてしまうのがわかっています。
学校では友達にクロのことを「あたしの彼はね」と言ってしまっていました。
友達はもっと詳しく知りたがります。
おかげで、もうキスもしていることになっていましたが、友達はあたしが彼と遊び歩いていて、もっと先まで行ってると思っています。
本当は手も握っていません。
まさか恐ろしく厳しいギターレッスンをしてるなんて、だれも思わないでしょう。
コンサートの日。
待ち合わせ場所へいくと、クロが待っていました。
あたしは走りよって、思い切って腕に抱つこうと思って、結局、ひじのあたりの服をなんとかつかみます。
それしかできませんでした。
会場に着くまで。そこをつまんでいました。
コンサート自体は結構盛り上がりました。
おかげで手を握って。手を振り上げて。二人でさけびました。
≪そうだ、意識するからいけないんだ≫
近くでは抱き合って、曲に合わせて踊っている人もいます。
キスをしている人もいます。
曲が盛り上がった時、勢いで。 「ねえ、キスしよ」 さりげなく言おうとします。でも言えませんでした。
帰り道。 「ねえ、あたしって何、弟子? それとも彼女」
「でも、そのなんだよ。そんなことしたら、僕はちっちゃい子にいたずらをしていると思われてしまうよ」
「あたしってそんなにちっちゃい子なの? もういい、帰る」怒って歩き出します。
クロは追いかけてきて。肩をつかんであたしを振り向かせると、子どもなんかじゃない、好きだよと言って、キスをしてくれる。という予定でした。
実際には。あたしが振り返ると。クロは離れた所から手を振ってくれました。
あたしの妄想は手で払われてしまいました。
手を振り返してその日は別れました。

―――――――――――――定期報告書
宛先 トドウ
内容 マイ・********* の魔術的背景に関する調査 29

〇概要
1 図書館員からの接触がある場合は、意識体による侵入の可能性が高い。
問い合わせ: 意識内探査の可否
2 魔法、魔術等に類する発言、行動は見られない。
問い合わせ: 言葉による誘導の深度
3 対象はギターに興味を持ち。ほかのことにはあまり興味がないように思われる。
問い合わせ: 引き続き、ギターを教えるという形で接触を続ける上で、もう少し立ち入った関係となる事への可否

〇詳細
*********
****
以上 全5枚―――――――――――――


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