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ロスト・マイ
【ファンタジー 官能小説】

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ロスト・マイ-2

タイトは二度と「薬をやるよ」とは言いませんでした。
その夜も夢の中に、あのおばさんが出てきました。
時々現れて話をしていきます。
母親と違って、あたしが何をしていても怒らないし、いろんなことをやさしく教えてくれるので。結構好きでした。
「あたし、世の中のすべてが嫌なの」まだ頭がくらくらしていました。
「そうですか。では、世の中ではないものを見せてあげましょう。それはあなたが今日していた事の続きですよ」

―――――気持ちが悪くなって目が覚めました。
床が波打って色を付けていきます。
音が色を変えて流れてきます。
天井のライトが千個にも二千個にもなって踊りながら行進してきました。
音が蛍光色に代わってきらめきます。
ああ、確かにタイトに飲まされた薬はこんな感じでした。
でも、目の前の世界が四方向に回転して、その中を、何万匹いるのか、虫があたしを求めてうごめいています。
虫を跳ねのけ、部屋の隅へ逃げます。
体中の皮膚の下が痒くて、くすぐったくて仕方ありません。でも掻いても良くなりませんでした。
服を全部脱ぎすてて掻きむしっても、どこがかゆいのか、くすぐったいのかわかりません。
さらにかゆくなります。
よく見ると、皮膚を内側から持ち上げて細い虫がうごめいていました。
最初は血管が透けて見えてるのだと思っていました。それがいたる所でうごめいているのです。
「助けて」叫んでも、声は干からびたように出なくて、ただ部屋の端で泣くしかありませんでした。
両方の乳房から大きな芋虫が皮膚を突き破って出てくると、頭を振ります。
「助けて」叫んで、芋虫の頭に爪を立てて引き抜こうとします。
痛みに耐えて、精一杯力をこめて引っ張っても出てきません。
そこへタイトがあらわれました。
まるでぬるぬるした、栄養失調のガマガエルみたいです。
体中をネオン管が覆って、色とりどりに光っています
「救けて」気持ちは悪くてもこっちの方がまだましです。
「乳首をもぎ取るのはやめろよ」ガマガエルが手をどけさせ、代わりにこねまわします。
「やめて。おっぱいを食べられちゃうよ」わめくと、
「わかったよ、静かにしろ」ガマガエルに、汚物と虫まみれのベッドに突き飛ばされました。
頭の上の方から覆いかぶさってくると、長い舌を伸ばしてきます。
あたしの顔をはう虫を、長い舌でからめとっては食べはじめます。
「ぜんぶなめとってやるからな」
舌は口の中に入ってきました。
それから胸を舐め、おなかへ降りていきます。くすぐったくて仕方ありません。
目の前にヌタウナギが半透明のヌルヌルを滴らせながら、近づいてきました。≪なにこれ≫ 口の前でのたくります。
≪考えちゃだめ。考えなかったら入ってきたりしない≫
唇に襲い掛かってきました。
≪口を開けなかったら入ってきたりしない≫
歯の隙間をこじ開けて、口の中を粘液でいっぱいにしました。
≪息ができない≫ 押し込んでくるウナギを何とか吐き出します。
見ると、ガマガエルのおしりが近くにあります。ヌルヌルの胴体はその股間にひっついていました。
どういうことかわけがわかりません。
ガマガエルの舌は股間をはいます。
足を持ち上げて、腰を曲げられると、エッチな所からお尻のほうまで全部見られてしまいます。
そこをなめ、それから深く中まで入り込んできました。
「うそ」気持ちよくはありません。ただ内臓をかき回されている感じでした。
そして入り込んだ虫を食べていきます。
≪だめ、変なことを考えちゃだめ、虫を食べてるだけなんだから≫


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