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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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妻を他人に (4) 変化-1

 ゆきに対する最初のアプローチは失敗に終わった。
 無論私もZもはじめからすんなり行くとは考えていなかったので、想定どおりといえば想定通り。

「とはいえZ先生、このままただお願いし続けるだけでどうにかなる気もしないんだが……」
「でもゆきさん、変なこと言い出したOさんのこと怒ったり軽蔑したりといった様子はなかったんですよね?」
「まあそれは……なかったと思う。その日も普通にセックスしたしな」
「じゃあ上出来ですよ。脈なしならここで夫婦喧嘩、以降は取り付く島なし、です」
「けっこう危ない橋を俺に渡らせてたんだな」
「あはは。Oさんの性癖のためです」
「お前がゆきとヤりたいだけだろう」
「僕はいつでも美人さんとセックスしたい男ですから。まあ、もう少し根気よく続けましょうよ」

 私はその後も少しずつやり方を変えながら説得を続けた。

 たとえばいつもの「ナンパ報告プレイ」で相手の男とのセックスを想像するよう促してみる。これは、はじめからうまくいった。ゆきは「いいの……?」と私の顔色を伺いつつも、瞳を閉じ吐息を粗くした。想像しているのか尋ねると、妻は薄く笑い「ごめんね……」と囁いた。たまらなくなった私は猛烈にペニスを打ち付け、またたく間に果てた。

「ふふふ。なんだかすごく、いけないことしてる気分だったよ……」
「目を閉じて感じてるゆき、可愛かった」
「もう……」

 私は妻のプラトニックな浮気に興奮し、そんな私に犯されるゆきも普段より乱れた姿を見せてくれた。
 気を良くした私は、次に相手をZにして同じことをするよう頼んでみた。プレイが一段階「リアル」に近づいたことにゆきは戸惑い「変なこと言わないで」と笑っていたが、必死にお願いをする私にやがて根負けしたかのように目を閉じ、静かに抱きついてきた。

「ん…………ん……ん……」
 息を深く吸い、ゆっくり吐く。妻の温かい吐息が耳元をくすぐる。
 控えめではあるが、頭の中には確かにZが存在しているようにみえる。
「ゆき……ひょっとして想像してる……?」
 否定はしないゆき。しかし肯定もしない妻の下半身にペニスをあてがうと、にゅるんと先端が飲み込まれた。
「ん……ん……ん……んん……」
 陰茎の抜き挿しを開始すると、私の背中に回されたゆきの両手両脚に力がこもる。
「ゆき…………ゆき…………」
「ん……っ……んん……ぁん……んん……」
 人妻の滑らかな肌が、じっとり汗ばんできた。下半身を少し押し付けるような仕草を見せている。
「んん……っん……んん……ぁん……ん……」

 目を閉じたまま、無言でキスを求めてくる妻。
 なんだ、これは――。
 淫らで、いやらしい。切なすぎる妻の姿態。
 妻と舌を絡め、下半身を密着させながら、私は妻の中で果てた。

「今日のゆき、いつもよりエッチだった……」
「もう……ばか……」
「Zのこと、想像してただろ」
「知らない」

 人妻として肝心なところはあくまで認めないものの、「察してよ」とでも言いたげなゆきの反応はいじらしく色っぽい。

「教えてよ」
「……してないもん」

 ゆきはくるりと背を向け、ティッシュで股間の湿りをさっと拭う。丸まったショーツの裏表を確認している妻の、つんと澄ました横顔。うなじに張り付いたおくれ毛が艶めかしい。それでいて顔は、三十七にもなっていまだ美少女のような可憐さを残す。頬は紅潮し、額にはうっすらと汗が滲んできる。
 四つん這いでベッド上を移動し、汚れたティッシュをゴミ箱に捨てるゆきを、私は後ろから抱きしめた。

「ゆき、今日はすごい興奮したよ……ありがとう」
「ゃん……ん、んん……」

 照れたような反応を見せるゆき。
 妻のうなじから、甘く濃密な、人妻の香りがした。

  *

 私はその後も、ときにZの写真や動画を見せながら同じことを繰り返した。
 夫婦のプライベートタイムに「他人」という異物が入り込む状況に、ゆきを少しずつ、慣らしていく。

「ふふふ……少しだよ。少しだけ。パパが嫉妬してる顔が可愛いから……」

 恥じらいを見せつつも、Zとの行為の想像を認めるようになっていくゆき。
 股間もいつもより熱く濡らしている気がする。

「Zくんのこと? うん……想像してる……ん、んん……」
「キス……? Zくんと? いいの……?」
「んん……ん……チュ……チュゥ……」

 妄想中のゆきは必ず瞳を閉じる。目をつむり、息を荒くし、腰をかすかにくねらせる。ときおりぎゅっと私にしがみついてくる。妻のこの一連の仕草が、私をさらに興奮させた。他の男とのセックスを本当に思い描いている気がする。私は激しく妻を犯しながら、さらに言葉で煽る。

「あぁゆき……ゆきが他の男にキスしてる……いいよ。もっとして見せて……」
「ん……ん……チュウ……ジュル……チュゥ……」
「Zとキスしてるの?」
 コクリとうなずくゆき。
「Zとセックスしてるの?」
 またうなずく。私の背中に回した彼女の腕に力がこもる。
「気持ちいいの? Zのチンポで気持ちよくなってるの?」
「ん……んん……チュゥ……ん、んん……」
「あぁ、ゆき……辛いよ……」
「ん……ごめん……んん……ん、ん……」
「俺よりもZとしたいの? 俺のことが嫌いになったの?」
「ぁん……違うよ、そういうのじゃないから。パパが頑張ってくれるから……だから想像してあげてるだけだもん……ん、んん……気持ちいい、そこ……」

 甘えた声で私にしがみついてくるゆき。
 Zの言っていたとおり、「夫のため」「夫が興奮するから」を言い訳に、背徳の行為に身を委ねている。

 人妻の貞操という高く分厚い壁が、少しずつ崩れ始めた。

  *


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