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こいびとは小学2年生
【ロリ 官能小説】

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閨房の性臭-1


 穏やかな雨音のリズムがゆっくりと目覚めを誘う。自分の身体に柔らかな温もりが密接しているのを知覚する。あれ、俺、居眠りしてたか。「どんでん返し」の伏線を見破ってやろうと意気込みながら最終章でみごとにどんでんを喰らい、最初からぱらぱらと読み返してああ、ここだったのか叙述トリックは、と気づいたところで脳の疲労がマックスになったようだ。
 掛け布団をかぶって横向きに寝ていた俺の胸の高さで、小さな頭部が規則的に小さく前後に揺れている。すぅー、すぅーっ、と呼気が漏れるたび、その頭部が密着している俺の胸筋 ―だいぶ薄いけれど― に、プルパーカーの生地越しにしのちゃんの温かく湿った寝息が伝わる。シングルサイズの掛け布団の中で、しのちゃんは俺の胸の中に抱きかかえられるようになって眠っている。
 しのちゃんを起こさないようにその肩を軽く抱き、つむじのあたりに鼻を押し当てる。しのちゃんの髪の香りと頭皮の匂いがふわ、と鼻腔を漂った。しのちゃんの寝息にリズムを合わせて息を吸う鼻から、しのちゃんの肩を抱く左の掌から、しのちゃんの寝息が染み込む胸から、しのちゃんの三十六度台の体温が伝わる。雨音と小さな寝息以外に音のない、初冬の静かな休日の午後のベッドで、8歳の「こいびと」を抱いて眠っていた。その、今年の春までは妄想としてすら思いつかなかったシチュエーションが現実であることをアピールする、しのちゃんの温もりと匂い。多幸感と恍惚をもたらすテクスチャー。

「うんん……」

 胸元でしのちゃんが小さくむずかる。子供みたいな声だな、いや子供か、しのちゃんは。
 俺の掌の中の頭が動き、指先に8歳の幼女の髪が流れる感触が伝わる。しのちゃんのちょっと寝ぼけたような顔が俺を見上げ、ふわぁぁ、とあくびする。温かい、と、熱い、の間くらいの温度の息が俺の顔にかかり、鼻腔をくすぐる息臭が信号を勃起中枢に送る。

「ふわぁぁ……はあ、寝ちゃった」

 もそもそ、と身体を動かして俺と顔が並ぶ位置に移動したしのちゃんが、枕に頭を乗せて、にへ、と笑う。向かって左側の唇交連が湿り、そこから乾きかけの唾液臭がかすかに漂う。勃起中枢からの信号に対して陰茎内圧と血流が忠実に反応する。
 改めて左手でしのちゃんの頭を抱く。きゅっ、と瞳を閉じて唇を軽く開いたしのちゃんに身を寄せ、寝起きの息臭が漏れる小学2年生の唇を吸う。しのちゃんの息、しのちゃんの唾液。二次性徴前の8歳の身体が分泌する幼女の匂い。小学生女子の吐息の匂いくらいなら偶発的に嗅ぐことができるかもしれないけれど、キスして味わう唾液の味や、二人の唇の間から漏れるしのちゃんが切なげに漏らすため息のような息の湿り気は、「こいびと」にならないと享受できない甘露だ。
 唇を離すと、ふぅーっ、と、しのちゃんが息を吐く。

「お兄ちゃんの身体、あったかい」

「暖房が効いてるからかな」

「おもしろくなーい」

 唇を尖らせたしのちゃんが、ちっちゃく握った手で俺の肩と胸をぽかぽかと叩く。

「へへ、本当は、しのちゃんを抱きしめてたら、しのちゃんの身体の体温が俺に移ってきたからだよ」

「……なんか、へんたいっぽい。あ、お兄ちゃんはへんたいだった」

 俺の顔に自分の顔を近づけてぎゅっ、と俺を睨んでいる(つもりの)しのちゃんの吐息がふわ、と鼻にかかる。寝息の乾いた匂いが薄まった、いつものしのちゃんの幼女臭い息臭が鼻の奥まで届くと、その刺激がほぼダイレクトに下半身に伝わる。しのちゃんがさっきそう言ったからってわけじゃないけど、なんだか自分が「へんたい」モードに切り替わりつつあるのを自覚する。
 掛け布団の中でしのちゃんの細い身体を両手で抱きしめ、しのちゃんの口に俺の鼻を押し当てる。両腕と、俺の身体でしのちゃんの身体と密着している部分から伝わる、しのちゃんの体温とすべすべした肌の感触。鼻腔に充満する小学2年生の女児の息臭と唾液臭。その息臭に乗って耳朶に伝わってくる、「んむー」とむずかるような甘えたようなしのちゃんの声。俺の全身の神経をくまなく包み込む、8歳のしのちゃんのちっちゃな身体のマチエール。
 掛け布団に包まれたままで、しのちゃんと強く抱き合う。しのちゃんの体温が、8歳の幼女の肌の感触が、小学2年生女児の体臭や息臭が、なんの遮蔽もなくダイレクトに俺の五感に伝わる。その感覚が行き着く先は愚かにもリビドーで、それが具現化されたものは更に愚かなことに勃起の先端から漏れるカウパー氏腺液だ。

「しのちゃん……俺、しのちゃんでまた、気持ちよくなりたい……」


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