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HAPPY LIFE
【学園物 恋愛小説】

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HAPPY LIFED-3

その日の夜〜

ピンポーン…
私服に着替えた私は幸久の家の前に立っている。
「はーい、あら夕里ちゃんじゃない。どうしたの?幸久ならまだ帰ってないけど?」
おばさんが出てきて大きな声を出したもんだから、後ろからおじさんまで出て来た。
「おぅ、夕里ちゃん。ちょうどよかった、夕飯食ってかないか?スキヤキだぞ」
「ごめんなさい、もう食べて来ちゃったんです。それに…いないんだったら帰ります。おじゃましました」
玄関のドアを開けようとドアノブに手をかけると、力を加えていないのに勝手に開いた。
「おぉ、夕里来てたのか?」
ちょうど幸久が帰って来た。
「ちょうどよかった。今帰ろうとしてたの」
「じゃあ家まで送ってくよ」


こうして二人並んで歩くのなんてすごく久しぶりな気がする。間の微妙な距離が気になるけど。
「何かあった?用事があって来たんだろ?」
「…メールの返事がなかったから、幸久の方こそ何かあったのかと思って」
「あぁ、ごめん。今年テニス部の部長やることになっちゃってさ、いろいろ忙しくて」
…そっか。
「あとね…ちょっとだけ幸久の顔が見たかっただけなの。だからここでいいよ。また明日ね、バイバイ」
走って帰った。
もっと一緒にいたいけど、なんか…一緒にいちゃいけないような気がした。





『ミューカフェ』
学校の近くにある喫茶店。最近よくここに明日香と早絵の3人で来ている。
「夕里の彼氏ってどんな人?今度紹介してよ」
突然明日香がそんなことを言った。
「あ、あとで聞いてみるよ。今なんか忙しいみたいだから」
「部長だっけ?いろいろやることあるんじゃない?」
早絵はオレンジジュースを飲みながらケータイの画面とにらめっこ。
「っていうかなんで何の連絡もないわけ?信じられない!!」
どうやら彼氏とケンカ中らしい。
「ちょっと文句言って来る。また明日…じゃないや、また来週〜」
いつの間にかジュースを飲み干して、さっさと出て行ってしまった。
「私達もそろそろ出よっか?」

外に出て駅に向かう道を歩いていると、ケータイが鳴り出した。…メールだ。
『今から会えない?』
幸久からだ。
『いいよ。今駅の近くなんだけど…幸久は?』
すぐに返信する。

「もしかして彼氏?」
「うん。今から会いたいって」
幸久からこんなこと言って来るのあんまりないんだよね。なんかうれしい。
「ラブラブだぁ?」
「ん、まぁね」


「夕里!」
あれ?今、幸久の声がしたような…。
あっ、いた!
「なんでここにいるの?」
「俺もちょうど駅にいたんだよ」
なんだぁ、そっか。

「あっ、友達?」
「うん、そう。同じクラスの橘 明日香ちゃん」
そうそう、紹介してあげなきゃね。
「はじめまして、橘です。いつも明日香がお世話になってます」
「こちらこそ。これからも夕里と仲良くしてやってよ」
なんか子供扱いされてる?
「それじゃ、お邪魔しちゃ悪いから私帰るね。またね夕里。先輩、今度いい人いたら紹介してください。さようなら」
明日香ったら…。


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