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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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四十八手-2

 「で、アンタはどれがいいの?」
 「どれがいいかは…わかんないよ」
 「まあね。みんな想像に過ぎないわけだし。でも、わたしなら『鵯越え』かな」
 「えっ、これ?」
 「そう。なんか、女の人がつまんなそうにしてるのが面白いよね」
 「そういう見方なのね。この女の人はみんなこんな顔してるよ」
 「まあそうだけどね。でも、この写真『あーあ、はやく終わんないかなあ』って感じで面白い。で、アンタはどれがいいの?」

 京子と交わしそうな会話を想像すると、やっぱりわたしはこの本を京子と一緒に見たいと思いました。だから、お母ちゃんには悪いけど、明日、学校に持っていこうと思います。

 「ふうん、この本を、お母上がねぇ…」
 「あんまり言わんといて。黙って持ってきたんやし…」
 「あまり親に断って持ち出してくるような本じゃないわよね。まあ、わたしはますますアンタのお母上を尊敬しちゃうけど」
 「そぉ?」
 「浮気相手は家の中には上げずに納屋の中で…ってことでしょ?」
 「ちょ、ちょっと。想像し過ぎだよ。納屋の中は十数年も時間が止まっている感じで、ほこりもたまってたし、アソコではそんなことは…」

 このような本を見つけて、あの畳の上では、両親が…しかも今よりもずっと若い頃にそういうことをしていたのだろうとは思いましたが、京子が言うような浮気相手と今…みたいなことは思ってもいませんでした。

 京子の中で、母がどのような人として思われているのかよくわかりませんが、そんなことも含めて母は笑って許してくれそうな気がします。というか、当たっているような気もするのです。もちろん、母に本のことも浮気相手がいるかどうかを尋ねたりはしませんけど。…などと全て想像での会話なのですけど。

 「で、アンタはどれがいいの?」

 想像しているだけの京子との会話ですが、同じ質問を3度も訊かれたところで、わたしもよさそうな体位を探すことにしてページをめくっていきます。『四十八手その三十 うしろやぐら 女が前で同じ方向を向いて立ち、壁に手をついた女に男が背後から挿入する体位。俗に「立ちバック」。野外でセックスをするときはこの体位が多い。』

 中学生の頃、下の姉と目撃した『アオカン』を思い出します。文章は続いて『挿入する際、女は尻を突き出すようにすると上手く挿入できる。男は前後にピストン運動をするというよりも女の腰を引き寄せるというイメージで繰り返し動くと疲労も少なく、女にも深い挿入感を与えられる。

 『挿入』、『尻を突き出す』、『ピストン運動』。いやらしい言葉に触発されて、わたしは部屋の中で壁に向かって写真の女の人と同じ姿勢になってみます。制服のスカートを思いきりまくってお尻を丸出しにもしてみます。そしてお尻を突き出して…男の人に『挿入』されて『ピストン運動』…。ジンジンしてきたアソコを慰めようと、男の人のアレに見立てた手を後ろに伸ばします…。
 手をアレに見立てるには腕の長さが足りません。オナニーするには向いていない姿勢のようです。わたしは勉強机に写真集を広げ、机に左手をついて、右手でアソコを慰めます。

 『四十八手』というけど、両親はみんな普通に実践しているのだろうか…とか、台風で潰れてしまった農機具小屋にもあんな畳が敷いてあって上の姉もいろんな体位でシテいたのだろうか…とか、もしかしたらわたしはあの畳で『生を享けた』のだろうか…などと想像しながら。

 『深い挿入感』ってどういう感じなんだろう…。この指をもっと深く入れてみたい…。でも、今日も怖くて小さな粒…いえ、もうその頃は『クリトリス』と呼ばれることもとっくに知っていましたけど…クリトリスをヌルヌルヌル…って擦って気持ちよくなりました。

 カラダがブルっと震えて、わたしは畳の上に仰向けに倒れます。声が出そうになって我慢していたけど、いつもオナニーしている夜と違って、今はこの家にはわたししかいないと気づいて、別に我慢しなくてもよかった…と思いました。わたしは制服を脱いで、ショーツも脱いでしまいました。ブラジャーと靴下だけというおかしな格好のまま、またオナニーを始めていました。


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