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拓哉と美穂とお母さん
【二次創作 恋愛小説】

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美味しいお魚-1

翌週
「何処に 行くんです?」 助手席に座りながら嬉しそうに
美穂は 拓哉を見ながら聞いて来た

「海に 行こうかと思うんだけど」 エンジンを掛け乍ら
拓哉はCDを差し込んだ 社内に軽快な音楽が流れ始める

「この曲 大好き」 美穂は曲に合わせ歌いだしていた

高速を降り 海岸沿いを走らせていると 小さな漁村が現れて来た
海沿いの駐車場に止め 美穂を連れ目的の店に入って行った
古い民家の様な作りで 食堂には見えない 店の前にのぼりが二本
立っているのが かろうじて飲食店と判るお店で 拓哉が学生の頃
見付け 時折訊ねる 店だった 暖簾を潜り 店主に挨拶する

「暫くぶりです」

「いらっしゃい 本当1年振り?」 女将さんが手を拭きながら迎えて呉れた

「何 食べる? 此処のお魚は朝 捕れたてを調理するから美味しいよ」
壁のメニューを指しながら拓哉は美穂に聞いて来た

「お任せします」 美穂は壁のメニューを見て 拓哉に任せて来た

「お刺身の盛り合わせと 煮魚定食と御飯セットかな」
拓哉は注文すると 女将さんは厨房に入って行った

「ここ 良く来るんですか?」美穂は拓哉を見つめ乍ら聞いて来た

「学生の時 ツーリングしてて見つけて それからは良く来てるよ
 最近は 中々時間取れなくて 先週進藤さんと話した時 お魚好きって
 言ってたから 此処を思い出したんだ」

「お待たせ」 大きなお皿に 刺身の盛り合わせが 運ばれてきた 

「これ 1000円嘘ですよね」 美穂は沢山の魚が盛られたお刺身を
 驚いたように 見ていた

「凄いだろ 最初これ見た時 俺も驚いたんだ」
 楽しそうに 拓哉は美穂を見ていた

「はい 煮魚定食と 御飯セット」 女将さんが料理をテーブルに乗せ
 横に 腰かけた

「頂きます」 美穂が刺身を一切れ口に入れ 目を丸くした

「美味しい」 美穂が嬉しそうに箸を進め始めた

「ご馳走様でした」 美穂は箸を置き女将さんに向かって 
 嬉しそうに言った

「美味しかったですか? 喜んでくれて私も嬉しいよ」
 女将さんが優しい目で 美穂を見て返事をした

「また寄らせて貰います」 拓哉は女将さんに挨拶すると
 美穂を乗せ 車を走り出させる

「美味しかったです ご馳走様」 美穂が拓哉を見ながら言う

「良かった 気に入って呉れて」 拓哉は美穂の嬉しそうな
 瞳を見ながら 微笑んだ


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