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「背徳と退廃・花嫁Mの手記」
【SM 官能小説】

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「背徳と退廃・花嫁Mの手記」-5

(2)
「大竹くん、やっと目が覚めたかね?」
 三年前の春、まだ大学三年の学生だったわたくしは、お酒に酔って意識を失くしてしまっていたんです。ゼミの懇親会で二次会まで行き、堂島教授と一緒に帰りのタクシーに乗ったところまでは覚えていたのですが。
 目を覚ますと、そこはラブホテルのベッドの上でした。

 まだ誰にも踏み荒らされていない雪のように白い身体を丸裸に剥かれて……手脚の自由を奪われていたのです。そこに氷の刃のような教授の視線が突き刺さっていたんです。

教授は普段とはまるで違う狂気を孕んだような目でわたくしの恥ずかしい裸身をジロジロと見下ろしておられました。
「ああっ、教授?……嫌っ。見ないでっ……こ、こんなこと、どうしてですか?」
わたくしは綿の黒いロープで両腕を頭上でまとめて縛られ、脚は折り畳んだ格好で自由に伸ばせない状態に縛られて、大股開きにされていたんです。恥ずかしいところをすべてモロに露出したカエルのような格好でした。

著名なフランス文学研究者の堂島耕太郎教授が、ゼミの学生のわたくしに犯罪まがいなことをなさるなんて、夢にも思っていなかったのです。

「大竹くん。君の研究課題の性的倒錯やエロチシズムの何たるか、背徳、不道徳の何たるかを、君自身の身をもって経験してもらおうと思ってね。ロープだけじゃないよ。今夜のためにいろいろ準備して、バッグに詰めてきたんだ」
教授はそれが計画的な犯行だったことを平然と吐露されたのです。気違いじみた性犯罪に走っておきながら、奇妙なほどの冷静さを保っておられたのです。

わたくしは身の毛のよだつような恐怖と不安に駆られ、発狂しそうでした。
ロープで両手両脚をきつく縛られていて、曝け出しているバストをブルンブルンと横に揺することしか出来ません。
「何てことをおっしゃってるんですか、教授……こ、こんなことは犯罪ですっ」
 お酒の酔いも一瞬にして醒めていました。顔は蒼ざめていたはずです。わたくしは大声で叫んだんです。

「そうだよ、これは間違いなく犯罪だ。酒に酔っているからじゃない。わたしを狂わせたのは、君だ。君がいけないんだ。君のせいだ……わたしは今の地位も名誉も捨てる覚悟だから、君がいくら大声を上げて助けを呼んでも平気だ。声が涸れるまで、もっと大声で叫ぶがいい……しかし、ここはラブホテルだからね。よがり狂った女が猥らな大声を張り上げてるとしか、誰も思わないだろうがね」
 教授は確信犯でした。うっすらとした笑みすら浮かべながら、ゆっくりとベッドに上がってこられたんです。

「な、なんて非道い方……軽蔑しますっ」
 ずっと堂島教授に畏敬の念をもって接してきた自分に腹が立ちました。こんな鬼畜のような極悪非道なことをなさる方だったなんて……なんだかまだ夢の中のことで、現実のことじゃないような気持ちすら残っていました。

 でも、夢なんかじゃなかったんです。左右の腿を引き裂かれて無様に突き出した格好の谷間のすぐ近くまで、教授の顔が迫っていたんです。まだ信じられないでいる気持ちも、教授の鼻息がわたくしの秘唇に吹きかけられたことで、吹っ飛んでいました。

「教授、お願いします……目を覚まして下さいっ。今すぐ止めて下さったら、今夜のことは何も無かったことにしますから」
普段から気難しいけれど学者肌で生真面目な性格の堂島教授が理性を取り戻して下さるよう、わたくしは大粒の涙を流しながら訴えたんです。
「ダメだな、大竹くん。涙なんか流したら、君の美しい灰色の瞳が見えなくなるじゃないか……君の瞳の色にわたしはゾッコンなんだから」
抵抗する術のまったくない状態のわたくしの裸身を、教授はまるで捕獲した獲物を睨みつける獣のような目でご覧になっていたんです。


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