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「背徳と退廃・花嫁Mの手記」
【SM 官能小説】

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「背徳と退廃・花嫁Mの手記」-19

(5)
 わたくしはソファの上で30分程度の休息が許されました。
 激しかった脳イキの名残りで、真っ赤な縄で緊縛された身体の小刻みな痙攣が止まらなかったのです。容赦なく鞭打たれたお尻はヒリヒリして、高い熱を孕んでいました。

呼吸が苦しくてならないくらい、ひどい嗚咽もつづいていました。悲しかった訳ではありません。鞭打たれながら愉悦の絶頂に継ぐ絶頂を経験した者でなければお分かり頂けないような複雑な感情の荒波が押し寄せていたんです。惨めさと歓喜が混然と混じり合ったような激情の津波なんです。

30分経ってもまだ回復出来ていなかったのですが、教授から立ち上がるように言われました。
「美優、実にいい貌になってるぞ。蕩けるほどの素晴らしいマゾの貌だ……そんな君にプレゼントをあげよう」
 教授はそう言って、ソファから立ち上がったわたくしの首に高価なブランド物のチョーカーを嵌めて下さったのです。今現在もわたくしの首に装着しているプラチナ製のチョーカーです。わたくしの細い首にジャスト・フィットするサイズで、ピッタリと肌に貼り付いたんです。

 その瞬間、野生の牙を剥くオオカミがロープで首輪を嵌められ、飼育されるようになって、飼い主のヒトを絶対服従すべきご主人様と崇めるイヌに変わっていったという……数万年を掛けて野生のオオカミが馴致されていった話を思い浮かべたのです。

 わたくしは教授に従属する身に堕とされたんだという恍惚に浸りながら、首を絞めつけるチョーカーを愛おしそうに触れていました。
(ああっ、わたし、首輪を嵌められてしまったのね……)
 教授に服従することに歓びを感じるイヌに飼い馴らされるのに、わたくしはたった三日間しか要しなかったのです。

「これは……美優が教授の……所有物になったというシンボルでしょうか?」

 わたくしは信じられないような大胆な言葉を発していたんです。
「ふふっ。君はそう思いたいのか?」
「は、はい……」
「思いたければ、勝手にそう思ってればいい」
 教授はマゾの色に染まっていくわたくしのことを嗤っておられたんです。

「遅くなったが、これからランチにしよう。ルームサービスを頼んでもいいんだが……最上階のレストランに行く方が愉しめそうだ」
 首輪のようなチョーカーを嵌めて頂いて恍惚としているわたくしをレストランに連れ出したいとおっしゃったんです。
 亀甲縛りとバストを大きな砲弾に変えている縄を架けられたままなんです。
「こ、こんな身体で、でしょうか?」
「何か、不満か?」
「いえ……」

「美優は何か不満そうだな……じゃあ、ニップルリングで君の身体をもっと飾ってやろう」
「え?」
 イヤリングと同じ構造のネジ式でした。左右の乳首をネジ金具で締めつけ、そこから垂れ下がっている細くて長い鎖が一つに繋がっていました。その鎖にはずっしりと重い翡翠のペンダントがぶら下がっていたんです。
 ただでも弾けそうなくらいにパンパンに漲っている砲弾バストの先端の乳首が金具の痛みに悲鳴を上げていました。翡翠のペンダントが揺れると、更なる激痛が走るんです。


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